ネットワークプレーヤーの二大巨頭である LUMIN の新製品 T3 のご紹介です。
LUMIN としてはミドルクラスのモデルとなります。
横幅 350mm とフルサイズオーディオと比較すると、やや小ぶりな LUMIN 標準サイズ。
小さくて音が良いのであれば、軽くて小さい方が設置面で有利ですので、昔のようにフルサイズに拘らないLUMINさんの姿勢は好感が持てます。
ですが、デザイン上の拘りとして、全モデルに採用されている背面のひさしは、ケーブルの接続に大変邪魔です。
ラックに設置後ケーブルの抜き差しは出来ないと思います。
店頭での試聴のように、頻繁にケーブルの抜き差しを行うのには全く向いていません。普通は、一度ケーブルを挿せば、数年はそのままでしょうから問題無いのかも知れませんが・・・
特にXLRプラグを引き抜く時に指が入らず困難です。
これは、強く改善を希望したい点です。
ひさしの影響で光が入らず、画像が暗くなってしまいました。
USB入力や、同軸入力の出来ない、完全なネットワークプレーヤーです。最近は、USB入力可能な機材が減ってきました。
世の流れは、ネットワーク接続に変わってきているようです。
先ほどご来店いただいたお客様より、USBケーブルの比較試聴がしたいとのことで、準備をしたのですが、USB接続可能なDACがほとんど無く慌てました。
店頭には、デジタル機器(DACやネットワークプレーヤー)が9台展示してあるのですが、USB入力出来る機材は2台だけでした。
USB接続出来る機材が減ってきたな、とは感じていましたが、ここまで減っていたとは驚きました。
話がずれてしまいました。
試聴はRoon Onlyモードにて行いました。
LUMIN のモデルは Roon Only モードが可能で、その効果は他社さんの Roon 専用モードと比較しても特に効果が高く、Roon の高音質再生に限って言えば、トップクラスではないでしょうか。
初期のLUMINは色付けの濃い強い個性を持ち、LUMIN の世界を作っていました。
ですが、代を重ねるに従い個性を排除して行き、このT3に至ってほぼ個性を無くしました。
音色は、ストレートでナチュラルです。
スピードが早く、S/N比が高いため、空間がスピーカーの奥、左右、高さ方向へナチュラルに広がります。
ほぼ90万円という高級機ですが、空間表現力という意味では頭1つ抜け出した表現力を持っています。
エネルギー再現性も高く、定位も良いのでボディ感のある音像がぴしりと決まります。
ひさし以外に文句の付けようが無い、優秀なネットワークプレーヤーです。
100万円未満の価格帯で、Roon の最高音質再生を目指す場合、筆頭候補に挙がるモデルでは無いでしょうか。