久しぶりに、普通のオーディオ機器のご紹介です。

前回は 7月1日 のDENON さんアンプですから 4ヶ月ぶりですね。
データ再生も楽しいので、どんどん新製品が出ていただいても良いのですが、アンプや、CDプレーヤーといった基本となる機材の新製品があまり発表されず、寂しい気分です。

特に、データ再生が世界の流れとなりつつある昨今、新型CDプレーヤーの発売はリスクも伴い、各社及び腰になっているように感じます。

そんな世界の流れに背を向けて、比較的小規模なメーカーである Nmode さんから 新型CDプレーヤー発売のニュースには少し驚きました。

Nmode さんは、既に X-CD3 という良質なCDプレーヤーを製造しており、会社規模から考えると、CDプレーヤーの2機種ラインナップは少々頑張りすぎではと、いらぬ心配をしてしまいました。

これは Fundamental 鈴木氏のサウンドマネージャー就任が大きく影響しているようで、X-PM5 と X-PM9 という鈴木アンプを発売しながら、鈴木CDプレーヤーは無いという状況を改善したかったのではないのでしょうか。

X-PM5 と同一サイズに収めてあり、横幅こそフルサイズですが、薄く、奥行きも浅いプレーヤーです。
大型の電源トランスが搭載してあり、見た目より重く感じます。

背面はすっきりしており、RCA出力とデジタル出力として、RCA同軸と光を搭載しています。

CD と CDトランスポートモードの切替スイッチも備わっており、トランスポートモードにすると、DAC部の電源をシャットダウンして、純粋なトランスポートとして動作するようになっていますので、良質なCDトランスポートとしても使用可能です。

さらに、外部クロック入力も付いていますので、色々遊べそうです。

CDプレーヤーとして試聴しました。
鈴木氏設計らしい、骨格のしっかりとしたエネルギー密度の高い再生音です。
同じ鈴木氏設計の名機 PHILIPS LHH 900R と比較試聴する幸運に恵まれたのですが、重心の低さや、中域の密度感はLHH900Rの勝ちでしたが、レンジ、S/N比、解像度は X-CD5 が上回っており、26年の進化を感じました。
特に高域方向の抜けや、定位、立体的な空間表現力では大きな違いを感じました。

トランスである程度重量を稼いでいるとはいえ、やや軽量な筐体ゆえの低域方向の沈み込みがもう一歩欲しいところではありますが、このあたりは天板に重りを乗せる等の使いこなしで詰める事が出来そうです。

最も、乗せる場所や、材質で音が変わりますので、単純に重い物を乗せれば良いという事ではありませんので、何か乗せる際は、材質や乗せる場所を色々試して見て下さい。

高い解像度、このクラストップクラスの情報量、エネルギー再現性を備え、音楽の楽しさをデフォルメする事無くストレートに伝えてくれる、完成度の高いCD再生専用機としておすすめです。

搭載しているCDメカはTEAC製のようですので、長期に渡るメンテナンスにも期待が持てます。
SONY SANYO といったCDピックアップ製造メーカーが撤退してしまい、それらを採用していたCDプレーヤーが、次々と修理不能になっていきましたが、TEACさんはいつも最後まで残って頑張ってくれます。

ご存じですか?TEACさんは今でもカセットデッキを製造し続けているのです。
この時代に、カセットデッキを製造してくれるという貴重なメーカーさんですので、ピックアップも長く生産を続けてくれる
のではないかと期待しています。

そいいう意味で、最後のCDプレーヤーとしてもおすすめです。