お手頃価格ながら、価格以上の価値を持つお買い得品を開発してくれる iFi audio さんからネットワークプレーヤーの高級機(iFi さんとしてはです)NEO STREAM が発売となりました。

コンパクト筐体を持つ ZEN シリーズ の上位シリーズである NEO シリーズでの発売です。

ZEN シリーズと比較するとやや大きめの筐体ですが、一般オーディオ機器と比較するとかなり小型です。

ネットワーク接続のみで外部のデジタル機器入力機能はありません。
その分、出力は多彩で RCAアナログ出力と 4.4mmバランス出力の他に、デジタル出力として光、同軸、AES/EBU、HDMI(PsAudio準拠) と、ほぼ全ての出力方式に対応しています。

そして、何よりも本機の最大の特徴であり、売りでもあるネットワーク接続の充実が凄いです。
RJ45(普通のLAN接続)は当たり前ですが、M12接続(日本テレガートナー用でしょうか)
そして、光接続端子が備わっています。それも、通常のSFPポートでは無く直接光ケーブルを挿すことが出来るコネクターとなっています。

何が凄いのか、ピンと来ない方が多いと思いますので、一般的な光接続ポートの仕様は以下のようになっています。

光ケーブル—SFPモジュール—ネットワーク機器

つまり、通常は光ケーブルを直接ネットワーク機器に挿すことは出来ず、その前にSFPモジュールが別途必要なのです。
ですが、この機材は光ケーブルのまま直接挿すことが出来るようになっています。

SFPモジュールによって音質は大きく変化しますので、この部分での選択が出来なくなるデメリットはありますが、一般的なユーザー様にとっては、SFPモジュールを複数購入して比較試聴などコスト面で困難ですので
このように、最初から限定されていた方が使いやすく安心です。

さらに、この NEO STREAM が凄いのは光メディアコンバーターまで付属してくる点です。

左の小箱が光メディアコンバーターです。
データ再生において、光絶縁の有効性は目を見張る物が有り、必須に近いです。
ですが、今まではその光絶縁装置が Ediscreation FIBER BOX2 (定価 231,000円)と、おいそれとは手が出せないほど高価でした。

もちろん、NEO STREAM 付属の物と FIBER BOX2 の音質差はございますが、光絶縁のみに23万円もの投資が出来る方はそう多くないと思います。
そんな中で、この NEO STREAM は 光絶縁装置 まで付いて約 20万円という、俄に信じられないほどお買い得感の高いモデルです。
20万円というと、それだけで大金ですので「安い!」とまでは言えませんが、光絶縁装置付きでこの価格は破格だと思います。

光絶縁装置の効果を確認するために、まずは光絶縁を使用せずに RJ45 ポートへ直接LANケーブルを挿してRoonを使用して、Roon Ready 接続により試聴しました。

素直で、滑らか、情報量も十分に拾えており空間も素直に広がります。良い意味で個性の薄い、普通によい音がします。
この時点で 20万円のネットワークプレーヤーとして十分に価値があります。

そして、本命の光絶縁装置を接続しての試聴です。
今まで本体に挿していたLANケーブルを、付属品の光メディアコンバーターへ接続します。
有線LAN接続(様々なノイズ成分を含んでいます)から、光信号へと変換される事により、ノイズが遮断されジッター等の悪影響から逃れることが出来るようになります。

この効果は歴然としており、一聴してS/N比が向上した事が分かります。
滲みが減り、解像度が上がり、滑らかさが増します。
エネルギー密度が上がり、空間が広くなり、定位が向上します。

今までのオーディオ常識では、機材が増える(接点が増える)と鮮度が落ち、音質は劣化しましたが、データ再生に限って言えば、良質なアクセサリ類(今回は光絶縁装置)を追加することにより音質向上が図れます。

M12接続という魅力的なオプションもありますが、この機材に関しては光接続が正解だと思います。

光メディアコンバーターから本体まで接続する光ケーブルですが、有志の方々の検証(私自身も検証しました)
の結果長いほど音が良いというこれまた、既存のオーディオ常識を覆す答えが出ております。

この機材でも同様の結果が出るかどうか、1m/3m/15m のケーブルで比較試聴を行いました。
左上のオレンジケーブルが付属品の1mケーブルです。
実は、この光ケーブルの品質も音質に大きく影響し、数社を比較試聴して最も良質な物を準備しました。
同じ長さでも、付属品と今回用意した黄色ケーブルではかなりクオリティに差が出ます。

オレンジ1m(付属品)と黄色1mでは、鮮度、定位、解像度に差が出ます。

経験的に3m は微妙な結果が出ることが多いのですが、今回も同様に 3m は今回テストした長さの中では最も微妙な結果でした。
3mであれば、1mの方が良いと思います。

そして、15mを接続すると 1mと比較してもさらに定位が向上し、滲みが減ります。
今回も光ケーブルは長い方が良い結果となりました。

光接続した、NEO STREAM はこの価格帯とは思えない高音質再生が可能です。
これで、ようやく一般的なユーザー様に Roon システムをセットでおすすめできるようになりました。

今までは、よい音が出せるのですがシステム総額がかなり高額となってしまうためセットでのおすすめは行ってきませんでしたが、「難しいから、おすすめセットを組んで欲しい。」とのお声を以前からいただいておりましたので、これを機会にセットを組んでみました。

左から
SilentAngel Z1 254,430円(税込) Roon サーバーです。
SilentAngel N8 49,940円(税込) オーディオグレードハブです。
iFi NEO STREAM 198,000円(税込)

合計 502,370円(税込) のセットとなります。

SilentAngel / iFi 共に値引き販売が許可されておりませんので、定価販売となります。
それでは面白くありませんので、お値引き出来ない分サービス品を充実させました。
セットでご購入いただければ、他に何も(無線ルーターは必要です)必要無い、全部セットとなります。

おまけは以下となります。

AIM NA2-010 3本 13,200円(税込) X 3本 39,600円(税込) LANケーブルです。
ローゼンクランツ PB-Brother 16,500円(税込) Z1用のインシュレーターです。

おまけ合計 56,100円(税込)

さらに、光ケーブル 15m もお付けします。

ローゼンクランツのインシュレーターは Z1 の底に上画像(逆さまにして底を上にしています)のように設置してください。
Z1 の筐体はアルミ削り出しで堅牢なのですが、底板は薄く強度が足りないため鳴いています。
その鳴きを止めつつ、さらに振動を整えるためにローゼンクランツのインシュレーターを使用します。
もっと、安価なインシュレーターで何とか出来ないか探ったのですが、この音を聞いてしまうと妥協できないためセットに組み込みました。

LANケーブルはAIM電子のNA2 1m を3本です。
無線ルーター(無線子機)からハブまで、ハブからZ1まで、ハブから光メディアコンバーターまでで3本となります。

別途 Roon と TIDAL の契約と、操作用のタブレットかスマホが必要となります。
TIDAL契約でお悩みの方はご相談ください。

Z1 、NEO STREAM 共に、より良い音を出すためには設定変更が必要です。

Z1 は アプリケーション欄で 「Roon Server」 のみインストールしてください。
その他をインストールすると、その数に比例して音質が劣化します。

NEO STREAM は 無線(Wi-fi)を停止してください。
音量調整機能を停止して下さい。
最後に、 排他モードで Roon Ready 以外を全て停止してください。

一点注意点がございます。
排他モードで Roon Ready 以外の全てを停止させると、iFi 専用アプリでの操作を受け付けなくなりRoon でしか操作できなくなります。
だからこそ音が良くなるのですが、取説等にそのような表記が無く、はじめてそうなった際に故障したと思い、メーカーサポートに連絡を入れそうになりました。
直前で気が付きましたが、驚きましたのでご注意下さい。

設定が難しいとお感じの場合、開梱をご許可いただければ最良の状態に設定変更してからの発送も可能です。

50万円のシステムとして、十分にご満足いただけると思います。
Roon に興味はあるけれど、難しくて導入できなかったという方には特におすすめです。