立て続けで申し訳ございませんが、またもや Roon 関連新製品のご紹介です。
ヨーロッパのデータ再生がほぼ Roon 使用で固まりつつあるため、驚くほどの速度で、Roon 関連商品が開発されてきており、 Roon関連製品の発売ラッシュとなっております。
今までは、データ再生方法の本命が無かったので各社共お茶を濁したような対応でしたが、本命が確定した今、そこへ開発力を全て投入して渾身のモデルを開発しているようです。
Roon専用サーバー 544万円!なんてモデルまで出てきましたから、データ再生はRoonで確定となりそうです。
この544万円のRoonサーバー、凄く音は良さそうなのですが・・・現実的ではありませんので試聴は保留にしております。
もし購入の意思がある方がございましたらご一報ください。あらためて試聴機を取り寄せてみます。
今まで様子見をしていた方も、本命が決まりましたので本腰をいれて良い時期になったと思います。
そんな、今からRoonを始めるぞ!という方にぴったりの新製品のご紹介です。
今回ご紹介するのは Silent Angel というブランドの製品です。
中国の新興メーカーで、母体は業務用通信機器の開発をおこなっている会社です。
今まで中国製というと、安い代わりに品質は今一、というイメージでしたがその意識を変えざるを得ない新製品達を立て続けに発売してきました。
モノマネでは無いオリジナリティを持った製品群で、きっちりと音を聞きながら作り込んである事が音からしっかりと伝わります。
その中かから今回は ネットワークオーディオサーバー Z1 のご紹介です。
また難しい単語が出てきました。
ネットワークオーディオサーバー とは、PCの代わりに音源の管理を行う機材です。サーバーを使用するメリットは以下となります。
モニター、マウス、キーボード不要、Windows や mac のような定期的なメンテナンス不要、シンプルな構造故の故障率の低さ、音楽再生のみに特化された設計のため音が良い。
可動部が無いため無音、家電製品のように気軽に、電源の入り切りが可能、等々、PCと比較するとはるかに手軽に使用出来ます。
何より、オーディオラックにPCを入れたくない方にとっては最高の機材です。
正式名称はネットワークオーディオサーバー ですが、実際に Roon 以外でこれを使用することは無いと思いますので、実質 Roon サーバーと言って良いと思います。
実際の使用方法ですが、PCの代わりにこのサーバーを使用する事となります。
Z1 と Roon Ready 対応ネットワークプレーヤーを同一ネットワーク上に設置するだけで準備完了です。
この同一ネットワーク上というのが、また難しいですね。
例えば一軒家の中で PCを有線LANで繋いでいて、ノートPCやスマートフォンを無線で繋いでいるとします。
これら3つの機材は、同じルーターへ繋がっていますから、同一ネットワーク上にあるとなります。
同じルーターに繋がっている機材が同一ネットワーク上にあるとお考えください。
つまり、同一ネットワーク上に存在するのであれば、この Z1 と Roon Ready 対応機は別々の部屋に設置しても全く問題無いということです。
Roon 導入のハードルが今回の機材のおかげで大幅に下がりましたので、残る障害はこのネットワーク関連の知識だけとなります。
少し強引ですが 「同じルーターに接続すれば良い。」とお考えください。最終的に同じルーターに接続されるのであれば、その経路は問いません。
間にハブや中継器が入っても同様に同一ネットワークと見なされます。
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横幅 200mm 奥行き 200mm 高さ 65mm とコンパクトですが、アルミブロックからの削り出しシャーシのため3.75Kg としっかり重たいです。
PCの場合、この本体とは別にモニター、マウス、キーボードが必要となりますから、かなり大袈裟なシステムとなりますが、サーバーの場合、この1台だけで完結しますので他に必要な物は操作のためのタブレット(スマホ)だけあれば大丈夫です。
対比物としてCDジャケットを載せてみました。
このサイズであれば置き場所に困りません。
接続するのは、ネットワークへ接続するための LAN ケーブル と電源だけです。
USBポートは増設記憶装置のためのポートです。
HDMI端子はサービス用ですので使いません。
吉田苑リファレンスRoonシステムのエスプレッシーボPCをこの Z1 へ変更して試聴しました。
始めて電源を入れたとき、何も起こらず困惑しました。
通常であればタブレット上で動作させている Roon に Z1 が表示されるはずなのですが、いくら待っても表示されません。しばらく待っても何も起こらないため、ようやくマニュアルに目を通します。
マニュアルに目を通して、この機材特有のメリットが分かりました。このモデルは新品時、何も出来ないのです。脳みそに何も入っていないとお考えください。
購入後、何を行いたいかを決めて、その行いたいことのみ動作するように後からその専用プログラムを覚えてもらうのです。
先日ご紹介した Mola Mola DAC と同様の狙いですね。
狙った事しか出来ない単機能追求型なのです。
ですので、何もしなければネットワーク機器とすら認識されず、同一ネットワーク上のPCからも見えません。
今回は Roon サーバーとしての運用ですので、Roon サーバー機能を専用アプリより選択しインストールします。
インストール作業が完了すると、すぐにタブレット上に Z1 が現れました。必要な作業はこれだけです。
さて、音質ですが大変良いです。
削り出しシャーシとノイズ対策による効果でしょうか S/N比が高くバックグランドが静かで深いです。
電源がACアダプター使用ですので、その影響で低域方向の沈み込みがもう一歩足りませんが
専用アナログ電源が間もなく発売されるので、それで解決出来そうです。
少なくとも、並みのPCでは到底及ばない情報量と、解像度、を持ち Roon の良さを見事に再現出来ています。動作も軽く、選曲作業にストレスがありません。数百枚のアルバムアートを瞬時に表示し、詰まること無くスクロール可能です。
PCと比較すると少々高価ですが、オーディオ機器と考えればミドルクラスCDプレーヤークラスですので、CDプレーヤー買い換えの際に Roon への移行を検討されてはいかがでしょうか。
CDでは体験出来ない、新たな世界を見ることが出来ると思います。