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VPIと言うと、昔はバキューム式のレコードクリーナーのイメージが強いメーカーだったのですが、
レコードプレーヤーも昔から作っていて、以前のScoutは、剛性の高いターンテーブルにキャビネット、
スパイク型のアルミ脚で支持され、アームもワンポイントサポート(ユニ・ピポット・ベアリング)で、上下左右と動きを制約する部分が最小のため感度抜群のアームで、比較的解像度の高い音を出すプレーヤーのイメージがあった。

 今回新しく出たPrime Scoutも従来のScoutの基本は引き継いでいて、4.76Kgのアルミ削り出しの重量級プラッターに異種素材積層構造の高剛性キャビネットを採用。足廻りは従来とは少し変わり高さ調整可能なDelrin製アイソレーションフットとなっている。触った感じでは樹脂系のインシュレーターの様で適度な弾性はありそう。
 アームは、以前のScoutと同じくワンポイントサポート(ユニ・ピポット・ベアリング)方式、アームパイプは見た目と触った感じステンレスの様だが定かではない。最近、日本製ジンバルサポートのS字トーンアームに慣れた身にとっては、ワンポイントサポートのセッティングは、不安定で神経を使うが、このアームの感度の高さは魅力だし、良く練られていてセッティングも合理的に容易に作られている。 最初のセッテイングだけ取説どおりに丁寧に行えば問題ない。
 
 セッティングが終わり、実際使用してみると、アーム感度が良くて、レコード盤の上に持って行くまでに、気を付けないとよく跳ねる。慣れれば問題ないと思うがやや神経を使う。
 今回の試聴にはフォノイコにSOULNOTEのE-1とカートリッジにフェーズメーションのPP-2000を使用した。
以前のシリーズと全体の見た目が少し変わったが、やはりVIPはVIPの音がする。
解像度が高く、S/Nも比較的よく、細かな音はしっかり拾う。音はやや軽めでもう少しエネルギーが出るとかなり良いと思うが、このクラスのプレーヤーの中でも特に音はよく拾えてる感じなので、CPは高い方だと思う。
 
 この手のストレートアームとしては、アームがすぐに取り外せるので、カートリッジの付替は比較的楽な方とは言え、面倒は面倒だし、付け替えでケーブルも劣化するので、出来ればカートリッジは固定したい。
プレーヤーとしては解像度高いが、少し軽い感じもあるので、カートリッジとしては芯のある力感のしっかり出るタイプが面白いかもしれない。

仕様

■ターンテーブル部
 ●駆動方式:ベルトドライブ
 ●回転速度:33-⅓ rpm、45 rpm
 ●プラッター:4.76kgアルミニウム

■モーター部
 ●モーター:300rpm AC シンクロナス・モーター
 ●駆動電源:AC 100V、50/60Hz

■アーム部
 ●形式・構造:ユニピボット(点支持アーム、着脱可能)
 ●適合カートリッジ自重:7~12g(針圧3.0g時)

■キャビネット部
 ●材質・構造:MDF + スチール / 2層
 ●サスペンション:Delrin製アイソレーションフット(高さ調整付)
 ●外形寸法(W×H×D):約482 × 221 × 385mm
 ●設置寸法(W×D):約475 × 343mm
 ●質量:約14.5kg(モーター部含む)