PCオーディオ黎明期からネットワークプレーヤー一筋に開発してきた SFORZATO さんの新製品DST-Lacerta が発売となりました。

合わせて、専用アプリ「Taktina」も公開されました。

ipad下の、小さな箱が DST-Lacerta です。
メーカー発表では、商品説明が 「RJ45(有線LAN)入力、USB出力のDDコンバーター」 となっており正直、何をする機材なのか分からず困惑しました。

有線LANで入れて、USBで出す・・・???
Diretta ターゲットであれば、そう記載するでしょうし、これは一体何だ?
と、思っていたのですが、何のことは無い、普通の ネットワークトランスポート(DACの無いネットワークプレーヤー)でした。
紛らわしい書き方ですよね、最初からネットワークトランスポートと記載してくれれば、無駄に悩まなくて良かったのですが。

手のひらサイズのコンパクト筐体で、ラックの裏側に落とし込んで使用できますので、邪魔になりませんし奥様にだまって、こっそり導入してもバレません。

このサイズですので、電源は内蔵せずに外部のACアダプター方式です。
このACアダプターを上質な物へ変更すると、大きな音質アップが図れますので、おすすめです。
今回の視聴は、付属ACアダプターで行いました。

おさらいを兼ねて、この機材に何ができるかをご説明いたします。

ネットワークプレーヤーとは、ネットワーク上(インターネット上)の音源を再生するための音楽再生機器です。
有名なところでは amazon music 等のサブスク(月額課金方式)音楽配信サイトと契約してその音源(約1億曲)を再生可能となります。

そして、機材ごとに契約可能な音楽配信サイトが決まっており、お使いになる配信サイトに合わせてネットワークプレーヤーを選択することとなります。

この DST-Lacerta は対応機材の少ない amazon music に対応しており、貴重なモデルとなっています。
他にも、TIDAL / Qobuz に対応しており、メジャーなハイレゾ配信サイトは網羅しています。

さらに、現時点ではまだ申請中で使えませんが、将来的に Roon Ready にも対応予定と聞いております。

もう一つの機能に Diretta 対応があります。
Windows PC にDiretta専用ドライバーをインストールすれば、PCの音楽再生ソフト(Roon 含む)からDiretta接続で再生可能です。
現在、Windows 店頭デモ機 HAYDN を貸し出し中のため、本日は視聴できないのが残念です。
戻り次第、Diretta接続での視聴も行います。

今回の視聴は、DST-Lacerta 最大のアピールポイントである amazon music で視聴を行いました。
専用アプリ「Taktina」にて操作します。

音源一覧に amazon music が表示されました。
思わず喜びの声を上げてしまいました。
ここまで来るのは、本当に大変だったと思います。
小さな、オーディオメーカーが巨人 amazon と契約することは、並大抵のことではありません。
amazon からすると、オーディオマーケットは無視して良いレベルの極小マーケットであり全く相手にされていないのです。
それを、根気強く交渉を重ね、ここまで到達したことは、それだけで賞賛に値すると思います。
お疲れ様でした、そしてありがとうございます。

今まで、amazon music に対応したメーカー(操作アプリ)は 4個ございました。
DENON と Marantz 用の HEOS
Silent Angel 用の Vit OS Orbiter
Bluesound 用の BluOS
KEF用の KEF Connect

そこへ今回 「Taktina」が仲間入りしました。

一般的に、amazon 操作用アプリの評価は低いです。
他社(TIDAL等)と比較してその操作性は著しく悪く、大きなストレスの要因となっておりました。
しかし、今回の「Taktina」は大変使いやすくなっており、予想外の快適さに逆の意味で困惑してしまいました。
amazon の操作がこんなに簡単で良いのか??
という驚きです。

まだ、開発されて間が無く、小さなバグがあります。
いくつか気になったのが、ギャップレス再生非対応な点と再生しつつプレイリストを消去しようとすると固まる点でしょうか。

固まったら、本体の再起動(電源を抜いて再度電源を入れる)で直ります。
おそらく、これからバグ取りが活発化すると思いますので、しばらくは生暖かい目で見てあげてください。

操作の点で戸惑ったのが、アルバムをまるごとプレイリストに入れる方法です。
アルバム表示画面で、アルバムを長押しすると丸ごとプレイリストへ登録可能です。
等など、細かな問題点があることは確かですが、それでもこの快適な操作でamazon が再生できることはありがたいです。

amazon music を最も快適に操作できるシステムだと思います。

聞きたいアルバムを長押しすると、左側のプレイリストへ登録するポップアップが表示されます。

DST-Lacerta はDACを内蔵しておりませんので、別途USB/DACが必要な点はご注意ください。

店頭では 30万円まででは一押し USB/DACである DENON DNP-2000NE へUSB接続して視聴しました。

良い意味で個性の無い、素直な音色です。
データ再生は音源の質が大変高いため、多くのメーカーが個性を排除し、性能のみで勝負をするガチンコ勝負の世界になっています。
音色の好き嫌いでは無く、情報量、S/N比、解像度、位相特性、エネルギー再現性、空間再現性、等の本質的な部分での勝負です。

そして、この世界でも技術(ノウハウ)の蓄積が重要で、早くからこの世界に参入しているSFORZATO や LUMIN は一歩先を進んでいるように感じます。

15万円で購入可能な、ネットワークトランスポートとして恥ずかしくない性能を持ち、高いレベルの再生音を聞かせてくれます。
音色に関しては、お好みのDACで調整できるのが トランスポート方式のメリットですね。

視聴は、付属ACアダプターで行いましたが、最後に電源を Silent Angel F1 へ交換しました。
サイズもコンパクトで見た目にも良い組み合わせですね。

S/N比が大きく改善され、見通しが良くなります。
改善効果の大きな、おすすめ電源です。

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