プロ機を中心に開発している NiCSo さんの取り扱いを開始しました。
吸音パネル等のラインナップがあり、スタジオ関連でノウハウを積み重ねたようです。

今回は比較的リーズナブルなインシュレーターを試してみました。

せっかくの機会ですので、軽くスタンドのお話も織り交ぜていこうと思います。

今回の視聴では、スピーカースタンドに TiGLON MGT-Y60S というスタンドを使用しました。
このスタンドは TiGLON さんにお願いして吉田苑のオリジナルモデルとして開発していただいたモデルです。
純正モデル MGT-60S の天板は、幅16cm 奥行き 21cm と小さく、最近主流のスピーカーを載せるにはやや小さいと感じていたため、お願いして大きめの天板 幅19cm 奥行き 24cm で作成していただきました。
このサイズであれば、よほど大型モデルでない限り安心して乗せることが可能です。

スピーカースタンドは、コンパクトスピーカーを使用する上で最も重要なアクセサリーです。
スタンドの比較試聴は、そう簡単にできませんので皆様はそこまで厳選せずに、純正スタンドや手頃な価格、デザインという理由で購入していると思います。

私の持論ですが
「コンパクトスピーカーの音の半分はスタンドで決まる。」
と考えております。
スタンドに乗せられたスピーカーの場合、音の半分はスタンドの音だとお考えください。
スピーカーを生かすも殺すもスタンド次第ですので、その使いこなしも重要となります。

今回ご紹介するのは、その使いこなしの上で重要となる、インシュレーターです。
スタンドの天板にスピーカーの直置きは音質に重大なダメージを与えるため、天板とスピーカーの間にはインシュレーターを挟むことが基本です。

今回は3種類のインシュレーターを比較試聴しつつ、インシュレーターの効能を探ってみます。

今回視聴に使用したインシュレーターです。
左から

ローゼンクランツ PB-Brother 6個 33,000円(税込)
NiCDo BUREEN 6個 26,400円(税込)
ステンレス M8ナット 6個 200円(税込)ほど

使用スピーカーは Paradigm Founder40B です。
まずは、インシュレーター無しでのベタ置きで視聴しました。

空間が狭く、奥行き方向に空間が広がりません。
左右もスピーカーの外まで広がらずに、内側でこぢんまりとまとまります。
全域にわたって、解像度が甘くなりエッジが丸くなります。

この状態での空間の広がりを点数化してみました。
この音を基準として 0点と仮定します。
高さ 0点 幅(左右の広がり)0点 奥行き 0点 とします。

まずは M8ナットからです。
すべて同じ配置で、前2点、後ろ1点の3点支持での視聴です。

200円 のアクセサリーとは思えない、大きな音質向上が可能です。
ベタ置きがいかに悪いかを感じる結果です。

S/N比が向上し、エネルギー再現性も大きく向上します。
エッジが立ち、解像度も大きく改善されます。
奥行き方向の改善がやや物足りませんが、ベタ置きより遙かに良いです。

ベタ置きを基準とした空間表現力です。
高さ 10点 幅 10点 奥行き 5点

これは空間表現力だけの点数です。
これとは別に、上であげた改善が得られます。

ハイコストパフォーマンスの代表作、ローゼンクランツ PB-Brother です。

ハード系ならではの大きな改善効果が得られました。
ナット比較で、さらにエネルギー再現性が向上し、S/N比が上がります。
レンジも向上しますので、現実的な価格のインシュレーターとしては最有力候補に上がると思います。

空間表現力は
高さ 30点 幅 20点 奥行き 20点 となります。

ご予算に余裕がある場合は上位モデルの PB-Rosenkranz 販売価格 1個 24,200円(税込)もおすすめです。
高価ですが、ブランド名をモデル名にしている代表作だけのことがあり、本当に良いインシュレーターです。

最後が、今回ご紹介する NiCSo BUREEN です。

M8ナットとの比較で、本当にわずかですがエッジが丸くなり、解像度が落ちます。
S/N比とエネルギー再現性はナットと同等でしょうか。

全然褒めていないとお感じになるかもしれませんが、実はこのインシュレーターは弾性があるのです。
弾性を持ちつつ、このクオリティを持つインシュレーターを私は他に知りません。
通常は弾性を持つと、解像度が落ち、エッジが丸まり、エネルギー再現性が落ちます。
ですが、このモデルは弾性を持ちながら、ほぼナットと同等のクオリティを再現できます。

さらに、空間表現力はナットを凌駕します。
高さ 20点 幅 15点 奥行き 15点

そして、このインシュレーターの最大のメリットは粘性を持つ点です。
天板上にスピーカーを貼り付けることが可能なのです。

スタンド上にハード系インシュレーターを使用すると、落下が怖いです。
実際、地震や不注意で落下させてしまったというお話はたくさん聞いております。
落下対策のご相談も多くいただいており、スタンド上にスピーカーを固定したいというユーザー様はたくさんいらっしゃると思います。
そのスタンドへの固定方法ですが、今までは音質を犠牲にする方法しかありませんでした。
ですが、このインシュレーターを使用すれば、スタンド上に貼り付けたような状態となるため落下対策として有効です。
引っ張れば外れる程度の粘着力ですが、ちょっとぶつかったとか、比較的多発するクラスの軽い地震の揺れくらいには耐えられると思います。

落下のリスクを大きく減らすことが出来る上に、音質向上も狙えるという大変有用なインシュレーターです。
音質優先であれば他の選択肢も出てきますが、落下事故防止の付加価値は大きいと思います。

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