昨年末に発売になるも、初回生産分が一瞬で完売し今日に至るまで、追加生産が無いというコロナによる影響をもろに受けた不遇のネットワークDACプリアンプです。
商品が入荷したら紹介しようと待ち構えていたのですが、一向に入荷する予定がなく、最初に仕入れた3台中2台が隠し在庫として、いつまでも残っているので、辛抱できずにご紹介です。

横幅 444mm というフルサイズモデルです。
筐体構造も凝っていて、脚はスパイクとスパイク受けが一体構造となった、音質を考慮しつつ利便性も考えてあるという優秀な脚で、天板やサイドパネルの構造や固定方法にも、音質を考慮した工夫が凝らされています。
38万円もするだけあり、その価格に見合った見た目と筐体設計が行われており、TEAC最上位モデルらしい贅沢なモデルに仕上がっています。

入力も充実しており、ネットワーク接続機能の他にもDACとして同軸デジタル2系統、光デジタル2系統USB/DAC、Bluetooth 等基本的な機能は網羅してあります。

プリ機能もありライン入力がRCA、XLR 各1系統付いています。

搭載DACはESOTERIC 譲りのフルディスクリートDACが奢られており、一般的なIC使用のDACとは密度感、エネルギー密度の再現性に違いがあります。

機能的にも、MQA フルデコード対応、Roon Ready対応 と現代のネットワークプレーヤーDACが欲しい機能に不足はなく、デザイン、筐体構造、機能から考えると38万円が安く感じるほどの高いコストパフォーマンスを
備えています。

中身も手抜きはなく、トロイダルトランス4機搭載となっており、アナログ信号左右に独立して各1台、ネットワークモジュール用に1台、デジタル制御部用に1台とこれ以上無いほど贅沢な構成となっています。

音質は、新生TEACらしい伸びやかで、ゆとりのある音作りで、レンジも広く情報量もしっかりと拾えています。
スピードはやや早めで、程よく立ったエッジが気持ち良いです。
色付けは薄めで、個性で聞かせると言うよりも、正攻法の情報量とエネルギーで聞かせるタイプです。

プリアンプとしての音量調整機能もよく出来ており、ボリューム調整機としてのクオリティもなかなかです。
質の良いプリメインアンプと接続するのであれば、ボリュームはバイパスした方がよりダイレクトにディスクリートDACの良さを味わえると思いますが、30万円台のDACプリと考えると十分に納得のクオリティです。

購入した満足感を高い次元で満たしてくれる、コストパフォーマンスの高い優秀なネットワークDACプリだと思います。