LUMIN がRoon Only モードに対応したため、改めて試聴しました。
今回は、メーカーデモ機に丁度空きがあった LUMIN 最高峰トランスポート U1X での試聴ですが、LUMIN 製品であれば、全て対応可能ですので既にお持ちの方は是非試して見てください。

PCオーディオに始まり、進化を続けてきたデータ再生は Roon の登場により完成の域に近付いてきたと感じています。
音質は良いのですが、圧倒的に不安定でまともに動作させることは至難の業であった JPLAY と同等以上の音質を持ち、安定した動作環境と、操作性の良いアプリの両立で気軽に使用出来るようになったことは、音楽好きとしては素晴らしい贈り物ではないでしょうか。

その Roon を高音質再生するためのノウハウが各社共蓄積されてきたようで、最近の流行はRoon専用モードです。

Roon 専用モードとは UPnP / OpenHome / Airplay / Spotify Connect 等々 Roon 再生以外全ての再生/操作が出来なくなる代わりに Roon Ready の音質を大きく向上させるモードです。

最近の高音質な Roon Ready対応機 には同様の機能を持つモデルが少しずつ出てきました。
現在の吉田苑リファレンスネットワークプレーヤーDACである Mola Mola Tambaqui DACやSilentAngel Z1 がそのモードを搭載しています。

SilentAngel Z1 は厳密に言うと Roon Only モードでは無く、本体にインストールするソフトウェアにより動作を限定させることが可能というシステムですが、狙いは同じですね。
Z1 は購入時には、頭の中が空っぽで何も出来ません。
購入後に、使用する環境にそって必要なアプリをインストールして使用するようになっており、DLNAレンダラー / Roon / Spotify / Airplay 2 / MinimServer / ReadyMedia から必要なアプリを選択します。
試聴しながら試しましたが、これらのアプリはインストールする数が増えるに従って、音質は劣化していきます。
つまり、Roon 専用であれば、 Roon 以外は一切インストールしない状態が最も高音質なのです。

今までの LUMIN にもこれに似たシステムが組まれておりました。
Z1 は最初何も入っていませんが、LUMIN は最初から全て入っています。
その中から、必要の無いシステムをオフにする機能が搭載されており、最初の全て入っている状態と、Roon 以外の全てを オフ にした状態ではその再生品質に大きな差がありました。

今回はそこからさらに一歩進み、一度 Roon Only モードに入ってしまうと、本体をリセットしない限り、本体のファームウェアアップデートすら出来ないという、現在市販されているRoon Ready対応機の中でも最も尖ったモードを搭載してきました。

今回は、全て入った最初の状態からはじめて、LUMIN アプリ上で他のシステムを停止させた状態、さらに、Roon Only モード での比較試聴を行いました。

購入時のままの、全てに対応可能な状態での試聴では、エッジが丸まりやや解像度が甘い感じです。
音の分離が悪く、直接音と反射音の違いが曖昧で、定位が甘くヴォーカルが肥大化します。
この状態でも 100万円オーバーのネットワークトランスポートとしては納得のクオリティを持っていますが、最高峰かといわれると、まだ上があると感じるレベルです。

次に、SilentAngel Z1 に似たシステムである、Roon 以外全ての不要なソフトをオフにした状態です。

曖昧さが無くなり、見通しが良くなります。
滲みが取れ、各楽器の位置が明確になります。
定位もピタリと決まり、ヴォーカルも実物大となります。
この時点で LUMIN 最高峰トランスポートというだけのことはあると、納得出来る見事な再生が可能となります。

最後に、Roon Only モードです。
雑味が取れ、リアリティが向上します。
深みが増し、前後の定位がさらに明確になります。
直接音、反射音の違いも明瞭に聞き取れるようになり、空気の再現性も上がります。
このモードに入れてしまうと、LUMIN アプリすら使用出来なくなり本体リセットを行わない限り本体操作を一切受け付けなくなるという、尖ったモードですが、それしか出来ない代わりに、それに関しては一切妥協しないという明確な意思を感じる納得の音質です。

LUMINのように購入後もファームウェアアップデートにより、最新の機能が入手可能という安心感は計り知れません。
高価な機材ですので、安心して長く使えるということは大きなメリットだと思います。

今回は、上位モデルで試聴しましたが、下位モデルでも同様の効果は十分感じることが可能です。

LUMIN + Roon でお使いの方はぜひ試して見てください。

LUMIN U1X はとても良いネットワークトランスポートでした。
良い意味でLUMINとは思えない素直な音色で、音数もしっかり拾えており原器として信頼出来る
高いクオリティを備えています。
Roon 再生において究極を目指す場合、候補の一つに入ると思います。