更新が開いてしまい申し訳ございません。

色々と新製品を試聴してはいるのですが、ご紹介したいと感じる物が無く更新が開いてしまいました。そんな中、随分前に発注していた SONORE Optical Module Deluxe が入荷してきました。
SFORZATOさんの新製品も一向に届く気配がありませんし(11月に発注したのですが・・・)

完全な私事で恐縮ですが、去年の5月に注文した自転車も未だに入荷連絡がありません。間もなく1年経過してしまいます・・・注文したことすら忘れてしまいそうです。
コロナの影響を様々な所に感じます。

この Optical Module Deluxe の仕事は、銅線のLANケーブルを光ケーブルへ変換する事です。
銅線のLANケーブルは電気的な接続となるため、ノイズも一緒に伝送してしまいます。ですので、電気信号を光信号へ変換することによりノイズから切り離すことを目的とします。

基本的に2台セットで運用するため2段重ねで撮影しております。
商品代金は1台のお値段ですので、2台購入するとそれなりの投資となります。

実際の接続方法は以下のようになります。

上の画像は吉田苑Roon用リファレンスシステムの一部となります。
左から ネットワークトランスポートの SOtM sMS-200 ultra NEO
中央がハブの 日本テレガードナー M12 Switch IE GOLD
右端が無線LANを受けるための無線装置です。

吉田苑の試聴室にはLANポートが無いため、隣の部屋にある無線ルーターから電波を飛ばしてこの装置で受けております。一昔前はその大元の無線ルータの性能が悪く、音飛びの原因となっておりましたが無線ルータを新型の高性能な物に交換してからは、音飛びも無くなり快適に使用出来るようになりました。

安定すると、次は音質が気になりだします。オーディオグレードの無線装置は世界中探しても販売されていないため、ネットワークシステムの唯一にして最後の弱点となっておりました。

しかし、その弱点もついに克服出来る日がやってきました。
このように、ハブと無線装置の間に挟み込むことにより、無線装置から混入するノイズをシャットアウトする事が可能となります。

接続方法は以下のような変化となります。

今までの状況
ハブ—銅線LANケーブル—無線装置
この接続では銅線LANケーブルを伝わり無線装置からノイズが混入します。

Optical Module Deluxe を間に挟むと以下のようになります。

ハブ—銅線LANケーブル—Optical Module Deluxe—光ケーブル—Optical Module Deluxe—銅線LANケーブル—無線装置

間に光伝送が入る事により、電気的接続が途中で無くなるためノイズが遮断されるようになります。

その結果は、今まで以上の静寂が得られるようになりました。
今までも十分なS/N比が確保出来ており、これ以上静かになることは無いのではないかと考えていたのですが、さらに静かになります。ノイズに埋もれていた情報が今まで以上に聞こえるようになり、エコー成分が空間へ消えていく様がより長く聞こえます。

さて、効果抜群なことは分かりましたので、次のステップです。

前回、検証した光接続方法の違いによる音質チェックです。
上の紫ケーブルが シングルモード 下のオレンジケーブルがマルチモードです。
基本的に前回の検証と全く同じ変化を感じました。シングルモード接続は滲みの無い、ダイレクトな音で、マルチモードは角を落とした優しいタッチの表現となります。

マルチモードとシングルモードの音質差は大きく、積極的に音質を追求する部分だと感じます。

マルチモードからシングルモードへ変更すると、一瞬音数が減り空間が狭くなったように感じました。ですが、良く聞くとマルチモードの音は滲む事によって空間感を演出しており、個々の音の粒子エネルギーは落ちているように感じます。

シングルモードは、音が滲むことなく塊として存在するため、一瞬音が減ったように錯覚しますが正しい位置に正しいエネルギーを保持したまま存在しているように感じます。
空間情報の豊富(情報量の多い)なソフトを再生するとこの両者の違いは顕著に表れます。

現実以上に広い空間表現を行いつつ、厳しくならない程度にわずかに角を落とした優しい音色を広げるマルチモード。
まさに「生」という生きた「音」を再現するシングルモード。

きつい録音はそのままダイレクトに耳に刺さってくるその再生はまさに、生の音だと感じます。

オーディオに癒やしを求める方にはおすすめできませんが、音楽をそのまま味わいたい方にはシングルモードをおすすめします。
逆に、ストレス発散や癒やしを求める場合はマルチモードが心地良くおすすめです。

モード違いの検証が終わりましたので、次はストリーミング音源(光ケーブル内をデータが通過します)とNAS格納音源(光ケーブル内をデータは通過しません)の違いを確認しました。
このテストの意味は、光ケーブルを通過することにより音質改善が行われているのか無線装置が隔離されたことにより音質改善が行われているのかを確認するためです。

結果はNAS格納音源再生時にもストリーミング再生時と同等の効果がありました。
ですので、無線装置を隔離することの重要性が確認出来ました。

以上を踏まえて、吉田苑 Roon用リファレンスシステムへOptical Module Deluxeを組み込む事としました。

吉田苑システムの場合、ハブにM12 Switch IE GOLDというオーディオグレードの物を採用しているため、Optical Module Deluxe を無線装置との間に組み込みますが、ハブに普及品を使用している場合はハブとネットワークプレーヤーの間に使う方が良いと思います。組み込む場所はお持ちの機材により最適解が変わりますので、色々試して見て下さい。

今までのシステムです。
左上より
●マスタークロック Antelope Audio 10MX
●Roon 用に特化したPC エスプレッシーボPC改 Roon
●DAC Nmode X-DP7
●ネットワークトランスポート SOtM sMS-200 ultra NEO
●USBリジェネレーター SOtM tx-USB ultra
●ハブ 日本テレガートナー M12 Switch IE GOLD
●無線装置

これからのシステム
上記システムに追加で
●光ファイバー(SFP)-LANコンバーター SONORE Optical Module Deluxe 2台 シングルモード接続

この大袈裟なシステムがこれからの吉田苑 Roon用リファレンスシステムとなります。

CDプレーヤーであれば、CDトランスポートを使用したとしてもDACとクロックの3台で完結する再生装置をここまで大袈裟にする必要があるかどうか疑問ですが、音質を追求するとこうなってしまいました。個々の機材はクロック以外極端に高価な機材を使用してはおりませんが、数が多いので結果として100万円オーバーのシステムとなってしまいました。

コストパフォーマンスを考慮すると、飛び抜けて高価な Antelope のクロックを Nmode X-CL3 クラスにするのが良いと思います。