高音質USB出力基板やUSBラインのクロック打ち直し装置等、PCオーディオ関連に独創的かつ効果的な機器を開発しているSOtM 社より、Roon Server 対応ミュージックサーバーが発売となりました。
本家である、Roon から専用サーバーが販売されておりますので、まさか、他社より同等の機能を持ったサーバーが発売されるとは夢にも思っておりませんでしたので大変驚きました。
しかも本家のサーバーは 248,000円(税抜き)ですから、倍の価格です。
本家の倍の価格ですから、音質を含め相当なアドバンテージが無い限り売れないと思いますので、自信があるのだと思います。
機能的には本家とほとんど同じなのですが、一点だけ大きな違いがございます。
それは、SOtM の人気商品である高音質USB基板 tx-USBexp を搭載していることです。
私は経験上 Roon を高音質再生させるためには LAN ケーブルによる Roon Ready 接続が必須と考えていたためUSB出力基板に良質な物を搭載する理由が分かりませんでした。
Roon Ready 接続する際には全く必要の無い装備だからです。
疑問はありましたが、とにかく音を聞いてみない事には評価のしようがありませんので早速接続してみました。
比較対象は本家の Roon Nucleus Rev.B です。
搭載OSはどちらも Linux ベースのオリジナルOSが搭載されています。
おそらく、音質差はこのOSの出来でほとんど決まってしまうのでは無いかと想像しておりました。
起動速度は5秒ほどで起動する Roon OS と1分ほどかかる SOtM OS(Eunhasu OS)でかなりの差があります。
起動後の操作速度も、サクサク動作する Roon OS に比較して 一瞬の間がある SOtM OS で差を感じます。
このあたりの操作感に関しては、初期のRoon OS にも感じていた部分ですので、これからのOSバージョンアップで対応可能だと思います。
まずは、どちらもRoon Ready 接続しての視聴です。
接続先は SOtM sMS-200ultra Neo で、そこからUSB接続でDACの Nmode X-DP7 へ入力して視聴しました。
Roon Nucleus とは音作りが少し違い、空間はやや狭くエネルギーで聞かせるタイプです。
Roon はスピーカーの外側まで空間が広がりますが、SOtM はスピーカーの間で空間を構築し厚みがあります。
この時点で、価格差ほどの音質差は無いと結論が出かかったのですが、せっかく良質なUSB基板を搭載しているのだから、USB接続で聞いてみようと考え直しました。
sMS-1000SQ のUSB出力から Nmode X-DP7 へUSBケーブルで直結して試聴再開です。
これは、良いです。
スピーカーの外側まで空間が広がり、厚みもしっかりと表現出来ています。
やや奥行き方向の表現力が弱いようにも感じましたが、USB接続でこのクオリティを持つRoon再生機に初めて出会いました。
どうやら、USB接続に特化して音作りを詰めているようです。
このモデルに関しては Roon Ready 接続では無く、普通のUSB接続で使用するべきと感じました。
これは朗報です。
今までRoonを再生するためには Roon Ready対応機が必須でしたが、sMS-1000SQ であれば、わざわざRoon Ready対応機を用意する必要が無く、通常のUSB/DACへとそのまま接続して良い音が楽しめます。
Roon Nucleus Rev.B + Roon Ready対応機 で合計 45万円ほどですから、価格差はあまり無いことになります。
奥行き方向への表現力の高い Roon Nucleus Rev.B
奥行きはほどほどではあるが、その分エネルギッシュな sMS-1000SQ と面白いライバルの登場です。
sMS-1000SQ にはオプションで、デジタル出力やアナログ出力の増設も可能です。アナログ出力を増設すれば、これ一台で完結するRoon再生機が完成です。
一点だけ残念な点があります。
他、SOtM 製品の例に漏れず、このモデルも 10MHz クロック入力の増設が可能なのですが、クロック入力端子を増設するだけで 120,000円(税抜き)もします。
クロックの増設では無く、クロック入力端子を増設するだけでこの価格になる理由が分かりません。
好意的に捉えれば、PC用のクロックとUSB基板へのクロック等、複数回路へクロック信号を供給するための回路を別途用意するため価格が上がるという事なのかも知れません。
おのおのの動作周波数は違いますから、1回路ごとに適合する周波数を作り供給するとなるとそれなりのコストが掛かります。
ですが、何の説明も無く クロック入力端子の増設費用 12万円 と言われると困惑してしまいます。
なぜ、この価格なのかという説明が欲しい部分です。