おすすめしております再生ソフト 「JPLAY FEMTO」 公式ページに日本語のページが開設されました。
これで、気軽に導入できるようになったと思います。

http://www.jplay.eu/日本語/

先日お知らせしました、ロスレス/ハイレゾストリーミングサービス「mora qualitas」 を試してみました。

まずは、ストリーミングってなんだ?という方のために仕組みの解説から始めます。
ご存じの方は退屈かも知れませんが、お付き合いください。

データ再生には現在大きく分けて3種類の再生方法があります。
「PCオーディオ」 「ネットワークオーディオ」 「ストリーミング再生」です。

店頭でお客様とお話しをしていると、多くの方が「PCオーディオ」と 「ネットワークオーディオ」を混同しておられます。
どちらもデータ再生を行うと言う点では一緒ですが、使用する機材やメリット、デメリットに違いがあります。

「PCオーディオ」
その名の通りパソコンをメイン機材として使用します。
パソコンへ「再生ソフト」をインストールして、PC上で音楽を再生します。
必要な機材は、PC と USB/DAC です。

「ネットワークオーディオ」
再生時にPCは使用しません。
その代わりに、ネットワークプレーヤーを使用して再生します。
「PCをオーディオラックに組み込みたく無い。」 という方にはこちらをおすすめします。
必要な機材は、ネットワークプレーヤー と データベース(SSDやハードディスク)です。
音源の取り込みや管理にPCが別途必要です。

「ストリーミング再生」
「PCオーディオ」 と「ネットワークオーディオ」は音源データを自宅にあるデータ装置(SSDやハードディスク)に保存します。
物理的な形を取るかどうかはともかく、音源を購入して手元に置くという点ではCDやレコードと変わりません。
一方、ストリーミング再生の場合データは、データ配信業者の記憶装置内部に置いてあります。
自宅にデータは保存されません。

データ配信業者と月額いくらで契約して、その配信業者が保存しているデータへのアクセス権を購入します。
そのメリットは大きく、私が契約している「TIDAL」という配信サイトの場合、その楽曲数は4,000万曲以上です。
この膨大なデータから好きなだけ音楽を聴く事が出来ます。
この方法であれば、物理的な制約から解放され膨大な量の音楽データをいつでも気軽に聴くことが出来ます。
自宅にCDが400万枚保管してあり、全てがデータベース化されていつでも簡単に取り出せるとお考えください。
音楽好きとして夢のような環境が構築可能です。

もちろん良い点ばかりで無く、欠点もございます(ございました)
システム上、大きなデータのまま配信することが困難なため、今までのストリーミング再生は圧縮音源、それも元に戻せない非可逆圧縮での配信が主流でした。
そのため、非圧縮のままデータを保管可能な「PCオーディオ」 や「ネットワークオーディオ」と比較して音質は良くありませんでした。

数年前から海外では、CDクオリティと同等に解凍する事が出来る可逆圧縮で配信する業者が出ており、その業者の日本サービス開始を心待ちにしておりましたが、日本の権利関係は複雑なようで、未だに上陸を果たせておりません。
そうこうしているうちに、AMAZONがロスレス/ハイレゾストリーミングサービスをはじめ、それを追いかけるように今回ご紹介する「mora qualitas」が始まりました。

まず、AMAZONさんの配信サービスですが、現時点ではおすすめできません。
AMAZONさんのターゲットは、一般ユーザーでオーディオ用途としては不満が多く微妙です。

同じロスレスデータ配信といえども、配信業者によって音質(クオリティ)が大きく違います。
その違いは再生時に使用する専用再生ソフトにより発生すると考えております。
「PCオーディオ」で音質を決定する大きなポイントの一つに使用する再生ソフトがあります。
ストリーミング再生も同様で再生時に使用する再生ソフト、つまり配信業者が配っている専用再生ソフトにより音質が決定されます。

その点「mora qualitas」の再生ソフトは現在世界中で配信されている「ロスレス/ハイレゾストリーミングサービス」
の中でもトップクラスの音質を誇ると感じました。

同様の「ロスレスストリーミング」サービスである「TIDAL」と同一音源で比較試聴しました。
どちらも、専用再生ソフトを使用しての比較です。
「mora qualitas」の方がほぼ全ての点で高音質でした。
特に奥行きや高さという空間表現に違いがあり、moraの方が広く深い空間を表現します。
エネルギー密度もmoraが高く、情報量も多いです。
専用ソフトを使用する前提であれば「mora qualitas」の方が、かなり高音質です。
ほとんどの方が専用ソフトを使用して聴くと思いますので、その前提であれば、最もおすすめできるロスレスストリーミングサービスになります。

ここまでは、専用再生ソフトを使用しての感想です。
ストリーミング再生は、再生ソフトやネットワークプレーヤーが対応していれば専用ソフトを使用せずに再生可能です。
「mora qualitas」は、現在先行体験のレベルですので、まだ対応したネットワークプレーヤーや再生ソフトがありません。
その時点でこのような比較をするのは卑怯ではありますが、色々試して現時点で最も高音質だと感じている、ストリーミング再生方法である「TIDAL」を「JPLAY FEMTO」で再生する、方法と比較試聴してみました。

再生ソフト「JPLAY FEMTO」は「TIDAL」 に対応していますので、TIDALの16bit/44.1KHzデータをそのままJPLAY FEMTOを使用して再生可能です。
この方法で再生すると、「mora qualitas」と比較しても、さらに高音質となります。
moraでは再現できなかった、アーティストの息づかいや演奏が始まる瞬間の「間」を感じることが出来るようになります。
オーディオとしてのクオリティを十分に備え、CD、レコード、等と同列で音質を比較出来るレベルになります。

試しに、同一音源で「mora qualitas」のハイレゾ音源(24bit/96KHz)と「TIDAL」を「JPLAY FEMTO」で再生するCD音源(16bit/44.1KHz)で比較試聴も行いましたが、やはりかなりの差で「TIDAL」の方が高音質でした。
フォーマットより再生ソフトの質の方が大きく再生品質に影響するのだと思います。

「mora qualitas」 は正式サービスすら始まっていない、先行体験期間ですので、これから、様々なメーカーが正式対応していくと思います。そうなれば、再生ソフトによる音質差は無くなっていくと思いますので、長い目で見てあげてください。

今更ですが、「mora qualitas」の使用感を記載しておきます。
正直、現時点の音源数は少なすぎてがっかりです。
何よりも「クラシック」が1曲も入っていないのには驚きました。
何かの間違いかと思って探し回りましたが、見当たりません。

2019/10/27 追記

昨日、帰宅後もう一度探すとクラシックも見つかりました。
ジャンル一覧にクラシックという項目が無いので、まだ入っていないのかと思いましたが、音源は入っているようです。
体験期間中ですので、まだ完成していないのではないでしょうか。
検索に昨日まで掛からなかった楽曲が今日は見つかりましたので、音源数もそれなりに改善されつつあるようです。

追記ここまでです。

amazonに負けないように、フライングでサービスを開始したのでは無いかと勘ぐってしまうほどです。
ダウンロードサイトにある音源でも、ストリーミングに入っていない楽曲が多く、早急に楽曲の充実を図らないと、体験期間が終了したら誰も継続してくれないのではないかと心配しております。

せっかく始まった、音質まで考慮された貴重なロスレスストリーミングサービスです。
応援しておりますので、早急に楽曲の充実をお願いします。

ここまで書いて重要なことに気が付きました。
再生方法を全く解説していませんでした。
必要な機材は、オーディオ用途を念頭に置いた場合 PC と USB/DAC が必要です。将来的に、ネットワークプレーヤーが対応すると思いますのでそうなればネットワークプレーヤーのみでも再生可能となります。
配信業者が対応アプリを出している場合はスマホ等でも聴くことは出来ますが、データ量を考えると使い放題で契約していないと
パンクする可能性があります。ご利用は計画的に。

「mora qualitas」 を体験期間中に楽しみたい場合は、PCが必須です。
お使いのPCで下記リンク先より、専用再生ソフトをダウンロードしてからお楽しみください。

https://mora-qualitas.com/
頭の良いソフトですので、現在PCに接続している外部DACを自動的に認識してそのDACで再生してくれます。
ですが、これは罠です。
ここで安心してしまうと最高の音質で聴くことが出来ません。
操作画面左端下の設定(歯車)画面に入り「プレーヤー」をクリックしてください。
その欄に「オーディオ出力デバイス」がありますので、その欄をクリックして(ASIO)お使いのDAC名 へ変更してください。
一例ですがNmodeさんのDACであれば (ASIO)SIC USB Audio に設定します。

初期設定の Default のままですと、音は出ますが最高性能ではありません。
この設定が可能な点が、「mora qualitas」専用再生ソフトの最大の利点ですので必ず設定してあげてください。