昨日に引き続き電源装置のご紹介です。
昨日ご紹介したESS-P1S1は、家電製品をオーディオ用途に流用するという少し珍しい方法でしたが
本日ご紹介させていただく PsAudio Power Plant P15 は最初からオーディオ機器として開発された正統派です。
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このゴージャスな感じ。まさに正統派です。
この DirectStream Power Plant シリーズは3モデルがラインナップされており、今回ご紹介する P15 は真ん中のモデルとなります。
下位モデルとして P12 定格出力容量 1000VA 定価 682,500円(税込)
ミドルモデルとして P15 定格出力容量 1200VA 定価 1,026,000円(税込)
上位モデルとして P20 定格出力容量 1700VA 定価 1,458,000円(税込)
全モデル同時に比較試聴しましたが、上位モデルのP20とP15の間には音質上の違いはほぼありませんでした。
下位モデルP12と比較するとP15の方がややエネルギー感が高いですが、2台並べて比較試聴して始めて分かるレベルの違いです。
クオリティはほぼ同等ですので、必要な容量とコンセント口数に合わせてご選択ください。
AからEまでの5セットのZoneが有り、Zoneごとに独立しており個別に電源のオン/オフが可能です。
内部で何が行われているかを大雑把に解説すると以下のような流れになっております。
入力された商用電源を FPGA により DSD へ変換した後、 AC → DC → AC と変換させサインカーブを再生成しています。
特に新規開発されたFPGAは、出力の低インピーダンス化が大きく進化し従来モデルの3倍以上改善されたそうです。
簡単に言うと、今まで以上のハイスピード電源を一から作り直すことが可能で、さらに低インピーダンス化が進み、瞬発的な電流供給能力が大幅に向上しました。 というイメージで良いと思います。
前モデルから継承されている機能の一つに、入出力波形を見ることが出来るディスプレイがあります。
この機能は視覚的に効果が確認出来るため、説得力があり眺めて満足できる面白い機能です。
入力された商用電源の波形です。
電圧は103.9Vと十分ですが波形の頭が大きく潰れ理想とする波形にはほど遠いことが分かります。
これが、再生成後の出力波形です。
絵に描いたように見事なサイン波が出力されています。
出力電圧は95V~115Vまで自由に設定可能なことも嬉しい機能です。
これはステータス画面です。
左側に入力信号(商用電源)の電圧、歪み率等が、右側に出力信号のデータが表示されます。
THD(歪み率)に注目です。入力時は3.4%も歪んでいますが、出力時は0.1%(メーカー発表では0.1%以下)に改善されています。
これは、昨日ご紹介した ESS-P1S1 の出力波形です。
こちらも見事なサイン波となっています。
ESS-P1S1 入力時のステータスです。
歪み率が0.4%ですので、歪み率だけ見るとPower Plantの勝利ですね。
ESS-P1S1 と Power Plant P15 を2台並べて、アンプへ電源を供給しつつ比較試聴しました。
ESS-P1S1 は 静けさが魅力です。バックグランドのノイズが減るため静かで広い空間に音が「ポッ」と立ち上がります。
この静かで美しい表現力は唯一無二の魅力を持ちます。
Power Plant P15 はアメリカです。
太く厚みがあり、力が満ちあふれる感じはこれもまた魅力的です。
厚みは出ますが、決して大味になることはありません。細かな音もきれいに出て来ます。
ESS-P1S1 が 日本の渓谷美とすると、Power Plant P15 はグランドキャニオンのイメージです。
どちらも渓谷には違いありませんが、静かで美しい日本の渓谷と、野性的で荒々しいグランドキャニオンと
製作された国の景色が見えるようで面白いです。
どちらのモデルも、スピードが落ちない点が共通した美点で、ハイスピードな電源でもあります。
空間表現力という見方をすると、ESS-P1S1 の方がやや広い空間を表現可能で、定位の表現力に特に優れています。
エネルギー感という見方をすると、Power Plant P15 の方が力強く、厚みがあります。
空間を重視するか、エネルギーを重視するか、でご検討ください。
ニチコン ESS-P1S1 / PsAudio Power Plant P15 両モデルとも店頭展示しておりますので、ご試聴可能です。
電源装置の比較試聴は中々できる場所が少ないと思いますので、お気軽に遊びに来てください。