アメリカの PsAudio には吉田苑のリファレンスCDトランスポートとして2009年から現在まで君臨しているPWTがあります。
他にもPWDシリーズという優秀なDACがあり、さらに電源装置も有名です。
日本で知名度が上がったのは電源装置によってでしたので、PSAudioは電源メーカーというイメージをお持ちの方も多いと思います。
今回新型DACが発売されましたのでその紹介をさせていただこうと思い、あらためて PsAudio の歴史を調べてみたところ、
なんと創業 1974年 でした!40年以上の老舗だったんですね。
初期の頃はフォノイコライザーやアンプを製造していたようですので、随分イメージが違いますね。
現在はどちらかというとDAC系に強いデジタル屋さんというイメージです。
PsAudio には NuWeveDSD 定価 162,000円(税込) というハーフサイズのDACがあり、価格もサイズも手頃で音質も良かったため、10万円台の主力DACとして吉田苑でもおすすめしておりました。
今回その後継機である Gain Cell DAC が発売されましたのでご紹介です。
横幅がフルサイズになった点は賛否あると思いますが、バックパネルサイズが倍になったためプリアンプ機能を搭載することが出来ました。
デジタル入力 同軸 2系統 / 光 / USB / I2S(HDMI)
アナログ入力 RCA 3系統(内1系統はXLR入力と共用)XLR入力
出力はRCAとXLRの両方を備えています。
アナログ入力を3系統持っていますので、 DACでは無くDACプリと言うべき充実した機能を備えています。
もちろんリモコン対応で、音量調整から入力切替、フェーズ切替、フィルター切替、ミュート機能、表示部のディマー機能が操作可能です。
旧モデルのNuWave DSDは単純なDACでしたので、機能性の向上は大きな物があります。
上が旧モデルの NuWave DSD です。
機能性が大幅に向上し、価格上昇は 2万円 というお買い得感の強いモデルです。
最も重要な音質ですが、旧モデルのNuWave DSDとは少し違います。
NuWave DSDは明快で躍動感溢れるエネルギッシュな傾向でしたが、Gain Cell DACはやや上品に仕上げてあり、全体的に低域方向へエネルギーがシフトしています。
よりハイエンド風な味付けがされたイメージで、重厚感のある再生が可能になっています。
アナログ入力でプリアンプとしても試聴しましたが、価格を考慮すれば十分によく出来ています。
使用上の注意点がございます。
ボリューム調整は初期設定ですと1~100まで可能なのですが、76で通常のライン出力レベルとなり100ですと+12dB出力となります。
+12dBまで上げてしまうと、少し大きめの音を再生すると音が歪みますので設定で最高ボリューム値を変更した方が良いかもしれません。
少し歪むくらいが荒々しくて楽しいと感じる場合もございますので、このあたりは聞きながら最適値を探してみてください。
このDACの一番面白い部分だと思います。
JPLAY再生の場合吉田苑の環境ではDAC Link 170Hz が安定して再生可能です。
10万円代のDACプリとしてお得感のあるモデルだと思います。