Nmode X-DP10 に外部クロックを入力するようになり、PCオーディオのクオリティーが一層上がりました。
そうなると、今まで気が付かなかった点が見えてきます。

お客様がUSBメモリに音源データを入れて試聴にお越しになった場合、デスクトップ上にコピーしてから再生しておりました。
USBメモリーからの直接再生は、音質がUSBメモリーの質に大きく影響されるため不安定要素をなくすため、デスクトップへコピーしてから再生する事にしていたのです。

昨日ご来店されたお客様のデータを、同じようにデスクトップへコピーして再生したのですが、ベールが一枚かかったようで、どうにも見通しが悪いのが気になります。
普段聞いている音と違うのです。

いつもとの違いというと、データの保管場所だけです。
普段はNAS(DELA N-1A) に格納されたデータを再生しているのですが、デスクトップ上のデータとの差異をこれほど明確に感じることはありませんでした。

お客様がお帰りになられてから、早速検証を始めました。

違いはデータの格納場所だけです。
デスクトップ上(PC本体のSSD内部)
NAS(DELA N-1A)
今まではこの両者の違いはほとんど無視出来るレベルだったのですが、あらためて同一音源で比較したところ、明らかにNAS上のデータの方が透明度が高くすっきりとした音がします。
X-DP10+クロックの効果だと思いますが、今まで気が付かなかった差異を表現出来るようになったようです。

では、NAS つまり DELA N-1A の効果によりこの結果が出ているのでしょうか。
ここで、少し前に行った検証のことを思い出しました。
クラウド上へデータをアップロードしてからダウンロードした際の音質変化に似ているのです。
ということは、ひょっとしたらNASでは無くハブが影響しているのでは?
さらに検証を続けます。


検証中の様子です。

エスプレッシーボサウンドPCが2台ありますが、これはCPUの検証中で上のPCはi5が下にはi3が入っています。
JPLAYのデュアルモードは行っておりません。

データを外部へ格納した方が高音質となる事は分かりました。
しかし、その原因を探る方法が難しいです。
影響する機材は3つあります。

(1)ハブ
(2)NAS
(3)LANケーブル

LANケーブルは今回の件に関しては関係ないでしょうから、やはりハブかNASということになります。

こうなると総当たりで試聴するしか方法はありませんので、4台の機材を準備しました。

ハブは
WaversaSystems W SmartHub 定価 148,000円(税込)
PCショップで購入のごく普通の無線ルーター 5,000円ほど。

NASは
DELA N-1A 180,000円ほど。
BUFFALO LS421D 80,000円ほど。



右側の黒い箱が LS421 です。

まずはNASをDELA N-1Aへ固定して、ハブの比較試聴です。
W SmartHub
普段から使用している組合せで、揺るぎ無い深く低い土台をベースに透明な空間が広がります。
空間は左右スピーカーの外側まで広がり、高さや奥行きも正確に再現されています。

普通の無線ルーター
スピーカーの間に空間が縮こまり、奥行きも浅くなります。ハイレゾ音源とCD音源の区別が付きにくくなります。

予想以上に両者の差は大きく、ハブの重要性を感じました。

次にNASを BUFFALO LS421D へ変更して同様の比較です。

W SmartHub
DELA N-1A使用の時と比較すると、空間は少し狭くなりやや雑味を感じる部分もありますが、それでも広い空間表現力を持ち納得できる音質です。

普通の無線ルーター
DELA N-1Aと組み合わせた際と比較して、ほんの少し空間が狭くなりますがそれ以外に大きな差異は感じられません。

分かりやすいようにこの4種の組合せに点数を付けてみますが、私の個人的な見解ですので
参考程度にお考えください。

DELA N-1A + W SmartHub を100点とします。
BUFFALO LS421D + W SmartHub 90点
DELA N-1A + 普通の無線ルーター 70点
BUFFALO LS421D +普通の無線ルーター 65点

そしてPC内部の音源再生の際の点数は 80点くらいでしょうか。

驚くべき事に、NASよりもハブの方が大きく音質に影響するという結果になりました。
さらに問題なのが、DELAの高級NASを使用しても、ハブに普及品を使うとPC内部に格納した音源に負けてしまう点です。

もう一点注目すべき点は、ハブに良質な物を使用すると PC内部に格納した音源より音が良くなる点です。
これは重要なポイントです。良質なハブを接続することで積極的に高音質化が可能になります。
PC周辺機器にお金を掛ける際はNASよりもハブに投資すべきという結果になりました。
私自身この結果には驚いておりますし、何かの間違いかもしれないと別のスタッフに何の前知識も与えずに比較してもらいましたが、同じ結果が出ました。

データ再生には通常のオーディオ常識が通用しません。
普通は余分な機材を通過させれば鮮度が落ち、エッジが丸くなる場合が多いのですが、PCオーディオに関しては、あえてデータを遠回りさせハブを通過させることによって、音質アップが図れます。
ハブを通過させることにより、ジッターが減る事による効果らしいのですが、そのあたりの理屈は難しくて
半分くらいしか理解出来ませんでした・・・

こうなるとハブに贅沢をしたくなり、奮発してTelegartner M12 SWITCH GOLD を発注しました。
到着が楽しみです。
到着しましたら報告させていただきます。