先日 ESPRESSIVO SOUND PC の底板強化モデルを試作中です、という日誌を書きましたが、その試作版が到着したのでご報告です。
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実は到着したのは8日前だったのです。
すぐにでもご報告したかったのですが、音を出してびっくり。
平面的で解像度が低く、空間が全く出ません。
いくらなんでもこれは酷すぎるということで、一時は開発中止の決断まで下していました。
しばらくは店舗の片隅で放置していたのですが、お客様から「PCもエージングがいりますよ。」との助言をいただき、半信半疑で再度電源を入れて3日ほどエージングしてみました。
恥ずかしながら、オーディオ機器にエージングが必須である事は十分に理解していたつもりだったのですが、PCにエージングが必要だという発想に思い至らず、新品のPCを音出ししてすぐにダメだししてしまっていました。
PCがエージングで音が変わると言うと、ほとんどの方は信じられないと思います。
私自身そのようなことは思いつきもしませんでしたから・・・
ここから先は、通常の感覚を持った方には信じられない話だと思いますので
そんなこともあるかもしれない・・・くらいの感覚で読んでいただければ幸いです。
今まで、様々なオーディオ機器のエージングを体験して機材毎にエージング前後の音質変化度合いの大小を感じてきましたが、その中でも今回の ESPRESSIVO SOUND PC のエージングによる音質変化の度合いは
大きかったです。
当店で販売する機材の中で、エージングによる音質変化が特に大きなメーカーはSOULNOTE社の製品で新品状態での音質を10点とすると、2日後くらいに7点くらいまで一度落ちます。
それから、日数の経過に伴い徐々に良くなり最終的には20点くらいまで上がります。
最終的に、初期状態の2倍ほどまで良くなりますが ESPRESSIVO SOUND PC も同じくらいの変化がありました。
最初は使い物にならないと判断したのですが、エージングが進行すると見違えるほど良くなり、最終的には十分に納得できるクオリティになりました。
上段が改良版の底板強化版です。
使えることが分かれば、次はノーマル機と比較してどれくらい音質が向上したかが問題です。
早速ノーマル機と比較試聴してみました。
確かに良くはなっていますが、価格差(販売価格は未定ですが試聴した時点では8万円ほどUPしそうでした)
を考えると「ノーマルで良い。」というのが正直な感想でした。
S/N比は少し上がっていますが、音の角が丸くなり鮮度は落ちています。
この変化は経験があるので、すぐに原因が想像できました。
今回の改良は底板の強化と、ノイズ対策として電源ラインにノイズフィルターを大量に組み込んでいます。
基本的にノイズフィルターを組み込みと、ノイズも減りますがそれ以上にエネルギーや情報量も減る事が多々あります。
今回の悪化部分もノイズフィルターを組み込んだ際に出る、悪影響に酷似していたので、フィルターの入れすぎが原因だろうとあたりを付けました。
そのため、メーカーにお願いしてフィルター無しVerを用意してもらいました。
このVerは鮮度が向上してエネルギー密度も向上したのですが、ほんの少しですが雑味を感じます。
適量のフィルターを適切な位置に入れるのが良さそうなので、さらに数種類を製作して比較した結果、最適な位置と量を見つけました。
最終的に完成したモデルはノーマル機と比較して S/N比向上、エネルギー密度の向上、解像度アップが見られ、上位モデルとして十分に違いを出すことが出来ました。
実際の発売はもう少し先ですが、上位モデルとして発売する予定ですのでしばらくお待ち下さい。
取り外したノイズフィルターとフィルタ組み込みケーブル。
ケーブルの黒い部分が今回組み込んだフィルターで、このフィルターの量と位置で、音質をチューニングしました。