CDが発売されてから既に38年経過しました。
時代はストリーミング再生へと変化しましたが、今でもレコード愛好家の方がたくさんいらっしゃるように、30年後でもCDは存在していると思います。ですが、SACDプレーヤーの新発売はあってもCDプレーヤーの新発売はほとんど見かけなくなってしまいました。

私は、CDはCDプレーヤーで鳴らすべきと考えておりますので、CDプレーヤーの新規発売がほとんど無くなってしまった現状を大変寂しく感じておりました。
そんな中、Nmode さんがやってくれました!
CDプレーヤーのニューモデルです。
確か5年ほど前に一度プロトモデルまで開発したのですが、どうしても筐体に収めることが出来ず、製品化は断念した経緯がありました。
それからも、ことあるごとにNmodeさんには「CDプレーヤーが欲しい。」とお願いし続けた甲斐がありました。

ある意味、開き直りでしょうか。
筐体に入らなければ、筐体を大きくすれば良いじゃないか!という、モデルです。

これだけだと、普通のハーフサイズシリーズと同じように見えますが・・・

厚みが通常のハーフサイズシリーズより 10mm 厚いのです。同一シリーズは同一サイズに収めたい気持ちは良く分かりますが、英断だと思います。

ハーフサイズシリーズ共通で、ACアダプター駆動となっております。

クロック入力が付いています。
このクロックは44.1KHz~192KHz さらに驚くべき事に 11.2MHz~49.1MHz までというスーパークロック帯まで受けることが出来てしまいます。
最初聞いたときは何かの間違いかと思ったのですが、実際に店頭で試しても確かにロックします。CDドライブ用のクロックでは無く、DAC用のクロックだとは思うのですが面白い物を作ってきます。

そして、機能面での目玉が MQA フルデコード対応という点です。
MQAとは、メリディアンが開発した新しい圧縮技術で、通常のCD盤にハイレゾデータを入れることが可能で、普通のCDプレーヤーで再生すると、普通のCDとして再生しますが、MQA対応プレーヤーで再生するとハイレゾでの再生が可能という物です。ハイレゾを聞いてみたいけど、どうすれば良いか分からないとお困りの方も、このプレーヤーを使えば、MQA対応CDソフトを購入すれば、普通のCDと同じ感覚でハイレゾ音源を再生する事が可能です。

厳密に言うと、完全な元データに戻る訳では無いので、非可逆圧縮(元データに戻せない圧縮)に分類されると思うのですが、聴感上違和感を感じることはありません。
気軽にハイレゾを聞くことが出来るメリットは大きいと思います。

さて、音質ですが・・・その前に大ニュースがたった今飛び込んできました!!
Nmode さんは、このCDプレーヤーの前にプリメインアンプ X-PM3-FT というFundamental 鈴木さんとのコラボモデルを発売しました。
Nmodeの清涼感のある透明度の高い空間に、鈴木さんのエネルギーをプラスした見事なアンプでした。

今回のCDプレーヤーも同様に鈴木さんとのコラボとは聞いていたのですが、この日誌を書いているたった今驚きのニュースが飛び込んできました。
その鈴木さん(Fundamental社)が Nmode さんの 技術顧問、兼 サウンドマネージャーとして正式に業務提携したそうです。
Nmodeさんの技術と鈴木さんの技術の融合は、以前から夢見ていた世界ではありましたが、まさか、それが現実の物になるとは!!

これからのNmode製品から目が離せません。

音質ですが、素晴らしいです。
まずは、クロック無し、通常CDで試聴しました。
音数が多く、S/N比も良好です。解像度が高く、位相特性も良好で楽器の配置や、前後の重なりも正確に再現します。
ここまでは、Nmodeさんの得意分野ですが、さらにそこへ鈴木さんのエネルギーがプラスされ価格が信じられない音を出してきます。
ACアダプター駆動である事が信じられません。
音の粒子一粒一粒にエネルギーが詰まった、エネルギーを伴った広い空間が再現されます。

次に、MQA CDでの試聴です。
ハイレゾらしい音数の多さと、レンジの拡大が楽しいです。
CDとはまた違った、楽しさがありイメージ通りのハイレゾサウンドが出てきます。
やや、ハイ上がりな気もしますが、TIDALでのMQA再生時にも感じた事ですので、これがMQAの音なのかも知れません。
MQA CD限定ですが、Nmode製品としては、ほんの少し脚色がされており華やかな高域が特徴です。

さらに、外部クロック Nmode X-CL3 を追加しました。
ベースラインがより明瞭となり、ベースが滲んでいたことに気が付かされました。
全域で、滲みが減りさらに空間が広がり定位も向上します。

入力する周波数により空間の出方や、解像度が変化するので好みの音質を探すのにも使えます。

CDを再生させれば、現行CDプレーヤー中でもトップクラスの再生が可能で、MQAフルデコード対応、さらに、クロック入力付きと、迷ったらとりあえずこれを買っておけば間違いないと言って良いハイコストパフォーマンスCDプレーヤーだと思います。