新型Excite X18は、完了したFocus160の替わりになり得るか。

DynaudioのFocusシリーズがリニューアルされ、パワーアンプ内蔵スピーカーになってしまいました。
Focusシリーズの中でもコンパクトな2ウェイ・スピーカーで、人気のあった Focus160もパワーアンプ内蔵(Focus XD200/ペア 750,000円(税別))になりました。
現実的な価格ではなくなった上に、アンプを繋ぎ変えて楽しむオーディオ的な楽しみも無くなりました。

 

Dynaudioのこのサイズのスピーカーは、お客様からのニーズも多く、FOCUS160は人気のあったFOCUS110が終了した後、中心的なスピーカーでした。
当社も主力としていたFOCUS160が無くなり、これは困ったと頭を抱えていました。

 

ここに来てFocusシリーズの下位シリーズではありますが、Exciteシリーズのラインアップに2モデル加わりました。
型式的には、ExciteX14の上位モデルでExciteX18です。
当初Exciteの位置ずけなので、ExciteX14の単純な上位モデルくらいにしか考えていませんでした。
あくまで入門用Exciteシリーズの上位モデルと捉えていました。

 

しかしながら、試聴してみると非常に良く出来ていまして、FOCUS160とは多少鳴り方の違いはありますが、
十分替わりになるスピーカーで有ることが分かりました。
具体的上げますと。

 

1.高域もFOCUSで使用されていたEsotecと同型でよく伸びて分離が良い。
Focus160と比較しても高域の質感で劣っていない。

 

2.中域、中低域に密度がありスピード感もあるので、楽器の音が明瞭で音数が多い。
Focus160と比較しても中域は厚く聴こえるので、ボーカルもしっかりしている。

 

3.低域方向のレンジは厳密にはFOCUS160の方がやや量は多いが、低い方の伸びそのものには差があまりない。
FOCUS160の様な低域の派手さはないが、低域のリズム感、切れそのものはExciteX18の方が良い。
ウーファーもボイスコイル部分は、カプトンを使用し、ダンパー部分の編み込みも従来の物とも少し違うようで、触ってみるとやや柔らかい感じである。
上下のレンジを無理に広げず、ユニットの質感の良いところを上手く使用している。

 

 

4.スピーカーの箱は、厳密にはFOCUS160よりも僅かに小さい。
FOCUS160と比べると、幅で12ミリ、高さで30ミリ、奥行きで14ミリ小さい。
箱を叩いてみると、密度がしっかりある乾いた鳴き方で良い。
ユニットの止めネジは木ねじで、この辺りはシリーズ的にExciteなので仕方がないところか。

 

5.重さは、Focus160の7.6kgに対して、ExciteX18は7.5kgと箱のサイズダウンからみると、重量はわずか100gしか変わらない。ユニット重量、部品重量に差が無いので、実質的な箱の重さはましている。

総合的に見てFocus160の替わりに十分になる内容で、下位モデルのExciteX14と価格分、十分に音質的にも開いている。

従来のDYNAUDIOのスピーカーの中で何か近いか考えてみましたが、FOCUS160というよりも、未だに中古市場でも人気のあるAUDIENCE52SEにちかいでしょう。
ただ弾む感じも持っているので、FOCUS110や昔のContour1.1に通じるところもあります。

展示も入荷していますので、常時店頭でご試聴可能です。是非、機会がございましたら、ご自分の耳で確認してみてください。
ご来店お待ちしております

 

ExciteX18 スペック
能率:86dB
最大入力:175W
周波数特性:44Hz~23KHz(±3dB)
インピーダンス:4Ω
質量:7.5kg
サイズ:W190XH320XD280mm

 

参考までに、再生音を、試聴位置に設置した「TASCAM DR-40」で録音してみました。

X-18.wav へのリンク

使用機材
CDT: PS Audio PerfectWave Transport
DAC: PS Audio NuWave DSD
AMP: Nmode X-PM7