時代の流れでしょうか。
最近はCDプレーヤーの新製品がほとんど発売されなくなってしまった代わりにネットワークプレーヤーが充実してきました。

日本では今でもCDがメインソースですが、海外ではネット上の音源再生(ストリーミング再生)が主流となり、CDプレーヤーの新規開発はあまり行われなくなりつつあるようです。
日本のオーディオメーカーは各社対応がまちまちで、積極的なメーカーもあれば、我関せずと孤高を貫くメーカーもあり、 各社の対応に幅があります。
そんな中、日本のハイエンドメーカーで最もネットワーク再生に積極的なESOTERICさんから新製品が発売となりました。

ESOTERIC N-05XDの購入はこちらから(吉田苑公式ECサイト)

ハイエンド製品らしい風格を持つ、正統派ハイエンドネットワークプレーヤーです。

機能も充実しており、プリアンプとしても使用可能です。
さらにヘッドホンアンプとしてもしっかり作り込まれており、ハイエンドヘッドホンアンプとしての需要もあると思います。

当たり前のように Roon Ready と MQA に対応している点が海外での販売を強く意識していることを伺わせます。

アナログ入力はRCAとバランス各1系統と少なめですが、ネットワークプレーヤーを使い始めると、それ以外の機器(CDプレーヤー等)を使う機会は大幅に減るので、それほど困ることはないかもしれません。
その分デジタル系の入力は必要十分な量が確保されており、このあたりにも時代の変化を感じます。ハイエンドモデルには珍しく、Bluetoothも接続出来るのが便利ですね。

肝心の音質ですが、驚きの結果となりました。
有線LANケーブルでネットワークへ接続して Roon Ready として視聴を行いました。

音が出た瞬間にあっけにとられました。
普通の音がするのです。
音が出るまでは、いかにもESOTERICらしい重厚で煌びやかな世界が展開されるのを予想していたのですが、ややスピードが遅めではある物の、色付けの少ないストレートで素直な音が出てきます。

DENONさんも突然音作りを変えてきて驚きましたが、今度はESOTERICさんまで変わりました。
DENONさんは新製品全てで新しい音に変わりましたが、ESOTERICさんは最新のこのモデルだけ変わるのか、これからもこの路線で行くのか大変興味深いです。

ハイレゾの情報量をきちんと再生しようとすると、この路線に行かざるを得ないのかも知れません。
そういう意味では、ハイレゾはオーディオに大きな変化を引き起こす起爆剤として機能してくれているようです。

ハイレゾの情報量は理論値ではありますが、CDの8倍ほどあります。
その情報のほとんどは空間情報で有り、空気感や気配を伝えてくれます。
その空気を正確に再生しようとすると、そのための音作りが必要となり今までと同じではいられなくなります。

今回発売になった ESOTERIC N-05XD はその空気をきちんと再現することが可能となりました。これは既存のESOTERIC路線とは全く違う、新しい世界を再現します。
ESOTERICさんとしては新しいチャレンジでもあり、このモデルへの評価次第でこれからの音作りを決めるのかもしれません。
ぜひこの路線を維持していただきたいので、応援の意味も込めて展示導入する事にしました。

店頭にてご試聴可能です。

音質ですが、レンジが広く、色付けの少ない素直な音色です。エネルギーがしっかり再現される点も美点です。空間表現は奥行き方向には少なめで、やや前に出てきます。
これは、珍しい表現で空間型スピーカーから前にエネルギーが出てきます。音が引っ込んでつまらないと感じていた方には、おすすめできる表現力を持っています。
スピードはやや遅めですが、位相特性は良好です。

ネットワークプレーヤーは SFORZATO や LUMIN が先行しており、ネットワーク再生は、少しマニアックな世界でしたが、そこへ一般的なESOTERICが参入したことは
大変喜ばしいことで、ここからさらにネットワーク再生の世界が広がる事を期待しております。

ご注文はこちらよりお願いします。

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