今年最後の大型案件(間に合えば後一件?)です。
PCアクセサリメーカーのバッファローさんが、突然オーディオの世界に飛び込んできてから(正確を期すれば原点回帰してから)PCオーディオ環境は劇的に改善されていきました。
その後を追うように、ライバルの IO DATA さんまで参入し、その相乗効果でオーディオの世界に様々な恩恵を与えてくれました。

衝撃的なオーディオグレード NAS である DELA N-1A から始まり、ネットワークプレーヤー機能を身につけ、外付けUSBディスクドライブを接続すれば、リッピングまで行えるようになり、様々なバリエーションを展開して、現在に至ります。
その間、IO DATA さんのブランドである fidata は diretta への対応とういう、新しい切り口でデータ再生の未来を見せてくれました。

後発である fidata さんに対して、やや守りに入ったイメージの DELA さんですが、ここに来て ネットワークハブ という切り札を出してきました。

以前から、バッファローブランドでオーディオグレードハブというカテゴリのモデルを出してはいましたが、業務機の焼き直し的設計で最初からオーディオ用として開発されたモデルではありませんでした。
ですが、今回のハブは違います。最初からオーディオ用として開発された、本物のオーディオグレードハブです。

ハブの重要性は何度もここで言及していますので、繰り返すのはどうかと思いますが、データ再生の肝はハブです。どれだけ、優秀なネットワークプレーヤーやPCオーディオシステムを構築しても、通常のハブではその実力を発揮することは出来ません。良質なハブがあって初めて、そのシステムはオーディオグレードへと進化します。

ですが、良質なハブはあまりに高価で、おいそれと手が出せる物ではありませんでした。このハブも高額なモデルではありますが、非常識なほどではありません。
趣味の道具としてはギリギリ許容範囲ではないかと思います。

左4個のポートが 100Mbps 右4個のポートが 1000Mbps となっており、ここもデータ再生の例に漏れず遅いほど音質は良いです。
データ再生機器は左の4ポートへ接続してください。右端の蓋がしてあるポートはSFPポート(光LAN接続用)です。

現在、光LAN接続に対応した機材はほとんどありませんが、将来の発展性があるので安心です。
これほど高価なハブは一度購入すれば10年単位で使用しますので、発展性が確保されていることは素晴らしいと思います。

さて、一番気になる音質です。
左から、普通のハブ、DELA S100 、 日本テレガートナーM12 Switch IE GOLD 、 日本テレガートナーM12 Switch Magic となります。この4台のハブで比較試聴を行いました。

使用機材は、PCにエスプレッシーボサウンドPC改 、 再生ソフト 「Jriver25」 、NAS DELA N1-A2/2 という組合せです。可能な限り同一環境での試聴(電源やLANケーブル)となるようにして、ハブ以外での音質変動要素を減らしております。

普通のハブ 3,000円ほど。
平面的で、厚みが無く、生気に乏しい寂しい音がします。

●DELA S100 定価 151,800円(税込)
この変化は劇的です。生気に満ちた、瑞々しい音楽が溢れてきます。立体感も出て奥行きや高さ、左右の広がりもきれいに再現出来るようになります。

●日本テレガートナーM12 Switch Magic 定価 217,800円(税込)
差は小さいですが、解像度や、情報量、そして躍動感に違いが出てきます。

●日本テレガートナーM12 Switch IE GOLD 385,000円(税込)
ここでまた差が開きます。今まで曖昧だった気配が伝わるようになり、空気の再現が出来るようになります。輪郭がより鮮明になり、定位が明瞭となります。

順当に価格差に沿ったクオリティでした。
オーディオの世界では、高価なほど高音質とは限りませんのでこれは珍しい例ですね。

「15万円のハブを購入した。」とPCにある程度詳しい人に話をすれば「頭大丈夫か?」と言われると思いますが、データ再生に本気で取り組む場合避けては通れない部分です。
デモ機をご用意しましたので、まずはその効果をご自宅で体験してみてください。
その価値をご納得いただけると思います。