アメリカの Polk Audio が久しぶりに輸入再開です。記憶があやふやですが20年振りくらいでしょうか。
1972年創業のアメリカ老舗スピーカーメーカーで、サラウンド用やサウンドバー等入門クラスに強いメーカーです。

今回は入門クラスの Reserve シリーズのご紹介です。

価格の割には高級感のある外観で、安っぽくありません。

ツィーターはリングラジエータータイプで、中央に金属製の鋭い物が装着されています。

もう一つの特徴がこのジェットエンジンのようなバスレフポートです。
バスレフポートの気流制御では各社様々なアプローチを行っています。
B&Wのディンプルは有名ですよね。
このポートはそこからさらに一歩踏み込んで積極的に気流制御を行おうと開発された
特許技術です。
音を出しながら、ポートに耳を近づけても中域の雑味がほぼ感じられず、低めにチューニングされた低音だけが
素直に出てており、この技術が有効に作用している事が感じられます。

10万円以下のスピーカーとしては優秀なモデルで、位相特性は良好です。
スピードは標準クラスですが、遅いとは感じません。
情報量はクラス標準より少し多いくらいです。

音作りとしては、やや多目の低域と欲張らない高音でイメージ通りの正統派アメリカンサウンドだと思います。
中高域がやや甘めに音作りされており、刺激的な音が耳に刺さることがありません。
それでいて、物足りない感じは無くバランス良く音楽を楽しめます。

同価格帯でライバルとなる Paradigm ATOM がもっと直球でストレートに表現しますので
ATOMがうるさいと感じる方にぴったりだと思います。

使いこなしのポイントはバスレフポートから出る大量の低域の制御でしょうか。
背面にウーハーが付いているかのようにたっぷりとポートから低音が出ますので
背面の壁との距離には注意が必要です。

スタンドに良質な物を組み合わせてあげれば、価格以上の立体的な空間を再現することも可能な
実力も秘めています。

少し乱暴に向き不向きで分けるとすると、楽器の再現性に優れた ATOM に対して女性ヴォーカル等を
色気たっぷりに楽しめる Polk Audio となります。

素材としても魅力的ですので、どう改造しようかと検討中です。
大きな欠点がありませんので、良い点である魅力的な低音の量感と中高域の色気を残したまま
解像度と情報量をもう少し出せるようになると良いな・・・と考えております。