お待たせしました。
やっと Qobuz 正式サービス開始(予定)のご報告が出来ます。

去年の12月開始予定だったのですが、開始直前に延期されてしまい、今まで10ヶ月の間やきもきさせられましたが、今度こそ大丈夫(だと思います)です。

音楽配信サービス Qobuz が 10月23日(水) プレオープンとなります。
グランドオープンまでは e-onkyo 会員限定サービスとなりますのでe-onkyo の会員登録を行っていない方は 10月16日(水) 正午までに登録しておくとプレオープンから試用出来ます。

e-onkyo 会員登録はこちら

ついにこの時が来ました。
ネットワークオーディオの過疎地日本が、ようやく世界と肩を並べることが出来るようになります。
本当に、待ち遠しかったです。

Qobuz 正式サービス開始となりましたら、導入方法や、おすすめシステム等 関連情報を発信していく予定ですので、今まで様子見していた方もぜひチャレンジしてみてください。
世界のオーディオの流れは、完全にネットワークオーディオが主流となりつつ有り日本は一人取り残されていましたが、これで導入のハードルは大きく下がります。

本当に音が良いので、ぜひ新しい世界へ飛び込んでみてください。

ステレオサウンドさんのご協力により、私も YouTube デビューを果たしました。
Paradigm スピーカーの紹介ですが、合わせて色々しゃべっております。
お時間がありましたら覗いてみてください。

YouTube 吉田苑

ここから先は、おまけです。
お時間がある方はお付き合いください。

私が音楽をきちんと聴くようになったのは、中学生の時にラジカセを買ってもらってからでした。
当時は、一家に一台ステレオ装置がある時代で、父が揃えたシステムがあったことは記憶しておりますが当時はあまり興味が無く、使用することはほとんどありませんでした。

ラジカセを買ってもらい、初めて自分の機材で音楽が聴けるようになったのが、一つのきっかけだったように思います。

それからは、カセットテープにエアチェックした音源を編集して入れて楽しんでおりました。
確か SONY のラジカセだったと思います。

高校生になり、もう少し良い物が欲しくなり、お年玉を貯めて ONKYO のシステムコンポを購入しました。
ラジカセと比較すると、低音がたくさん出るようになり大喜びした記憶がございます。

大学に入ると、さらに音楽方面の興味が強くなり、ステージの音響、照明を行うサークルに入りました。
これが、この道に入るきっかけだったと思います。
学園祭や、軽音楽部のステージ、地元の劇団の音響、照明を手がけました。
この時に身につけた、電気に関する知識が今の私を支えています。
体育館の分電盤から直接電気を引き出す知識や、発電機の知識等、一通りの電気工事士の知識を得る事が出来ました。

さらに、学園祭シーズン以外は、地元のプロの音響会社(先輩が就職していました)でアルバイトをしてプロの知識も学ばせていただきました。
松任谷由実 のライブを手伝った際に、ピンスポットを担当させてもらったのは、今でも鮮明に記憶に焼き付いています。
前日の会場設営から入り、リハーサル時に先輩から「ピンスポやってみるか?」と声をかけてもらったときは舞い上がるほどうれしかったです。
今は、ボタン一つでモーター動作ですが、当時は、現在のようにパソコン任せでは無く、照明一つ一つを手動で操作していました。

この時期に得た知識は私の宝物です。
ライブ当日にケーブルが足りずに、大慌てで現地でハンダ付けを行い、ケーブルを作成したりイベントで電気が足りず、あわてて発電機を借りに行ったり等夢中で駆け抜けた4年間でした。

この電気が足りないという事態は、普通に生活しているとイメージできないかもしれません。
当時のステージ用の照明機器は、一灯で 1000W 使用しました。
大きなイベントの場合、これを 100灯とか同時に点灯します。
1000W が 100灯 ですので、100,000W(ワット) です。
アンペアに直すと1000A(アンペア)ですね。
一般家庭の標準的なメインブレーカーは 60A でシャットダウンされます。
この 1000A という電力がどれほど巨大な物かお分かりいただけましたでしょうか。

この巨大な電力をまかなうため、イベント会場では発電機を使用してその電力を供給していました。
その際は、ピーク電力を計算して、その倍の容量を確保するのですが予定通りに行かず、イベントが遅れたりすると、別の会場と同時進行となり電気が足りないという事態がまれに起こるのです。

そして、アルバイト代を貯めて初めて本格的なオーディオ機器を購入したのもこの時期でした。
SONY TA-F333ESX というアンプと ONKYO Monitor 2000 というスピーカーの組合せにmarantz CD-94LTD というCDプレーヤーでした。
今でもするすると機材名が出てきますね。初めて手に入れたオーディオ機器ということで強く印象に残っています。

アンプとスピーカーは比較的短期間で手放しましたが、CD-94LTD はCDトランスポートとしてかなり
長い間愛用しました。
知識が少ない時に、デザインだけで購入したプレーヤーですが、知らずに名機を入手していたのです。
使用されているメカは、今でも探している人がいるフィリップスの CDM-1 という超弩級メカで
当時だからこそ作られた、究極のピックアップです。
その製造コストは、現在製造されているピックアップの 100倍はかかっていると思います。

製造から数十年経過してしまい、初期性能を保っている個体は少なくなったと思いますが
状態の良いCDM-1搭載プレーヤーは、今でも一流のCDトランスポートとして使用可能です。

古いからこそ良い物もあるのです。

この CDM-1 メカが開発されたのは、CDプレーヤーが発売となった1980年台初頭でまだコストダウンという事を意識しない時期に設計されています。
CDを普及させるために、コスト度外視でただただ、良い物を作ろうとして開発されたパーツです。
ですので、ここから CDM-3 CDM-4 と新型ピックアップが開発されるに従い、大幅なコストカットが行われていきます。

CDM 0 に始まり CDM 1 から CDM1 mk2 になった時点で、かなりコストダウンが進行しておりますがそこから先は、少し残念な感じですね。
ですが、CDM4 ですら、現代では名機です。良い音しますよ。
これら、フィリップスのCDM兄弟はCDピックアップ史上に燦然と輝く名機たちです。

見てください。
この頑丈そうな筐体を、アルミダイキャスト製の重量級で、手に持つとずっしりと重たいです。
高速回転する物を固定して、それを読み取るのですから、質量が正義だと思います。

さらにピックアップレンズは、収差が少なく温度特性に優れた、ドイツ、ローデンシュトック製のガラスレンズです!
CDM 0 にいたっては、カールツァイス製ですよ!!

さらにさらに、CD-94LTD搭載のCDM-1はチューナップモデルで、 ピックアップ制御用プリアンプを分離独立させ回転計の振動から制御系を解放するとともに、回路そのものもより大規模な物に強化されていました。

メカの話になるとつい熱くなってしまいます。
話が尽きませんのでここでやめておきますね。

ちなみに、現在主流のピックアップはこれです。
数百万円のCDプレーヤーも分解すると、大抵これが入っています・・・

打ち抜き鉄板に、ピックアップレンズはプラスチックです。

高速回転するCDを受けるメカとしては、少し心許なく見えますね・・・

話がそれてしまいましたが、そんな感じで音響関連を趣味として生きてきて、今に至ります。
趣味を仕事とする事の賛否はありますが、オーディオに限って言えば販売員がオーディオ好きであるということは重要だと思います。
お客様より知識が無い、サラリーマン販売員よりはお客様に安心していただけるのではないでしょうか。

好きすぎて、尖ってしまう点は弊害なのかもしれませんが・・・

ですが、それが吉田苑の個性ですので、尖っている部分も含めてお付き合いいただけると幸いです。