私は今までの経験からPCオーディオに使用するパソコンのCPUは、低スペックのコア数が少ない物ほど音質が良いと考えておりました。

当店のお客様からPC購入の相談を受けた際も同様に「なるべく低スペックでコア数の少ない物をお使いください。」とおすすめしてきました。

しかし、最近はコア数が多い物ほど良いという声も多く聞かれるようになり、改めて店頭PCをシングルコアとデュアルコアで比較してみました。
やはり、どう聞いてもシングルコアの方がS/N比が良く高域の抜けや、奥行きの表現力などもデュアルコアに勝っていました。

吉田苑店頭に限った話では無く、自宅PCでも同様の検証結果が出たのでやはりシングルコアが良いのだろうと思ったのですが、やはり気になります。
そんな折 「CPU Burn-in」というCPUを100パーセント稼働させるソフトがあり、これを数時間使うと音が良くなるという情報を教えていただきました。

I様 いつも貴重な情報をありがとうございます。

※ 重要

「CPU Burn-in」を長時間動作させる場合はCPUの温度上昇にお気を付けください。
CPUをフルパワーで無理矢理動作させるソフトです。
ファンレスPCやノートPCの場合、かなりの発熱が伴い最悪の場合故障する可能性がございます。
まずは10分ほど稼働させて、様子を見ながら使用時間を延ばしてください。
「CPU Burn-in」使用による故障に関しては吉田苑では責任が取れません。
自己責任にてお願い致します。

確かにシングルコアで使用していると、残りのコアは使用しませんのでエージングは全く進みませんし、仮に使い込まれたCPUであったとしても、シングル動作を長時間行えば未使用状態に近くなってしまう事は想像できます。

さらに、新品PCの音の悪さも経験していますので未使用コアのエージングは確かに音質に大きく影響しそうです。
早速、6時間のエージングをかけて先ほど聞いてみました。

まずはシングルコアで試聴しましたが、この時点で普段よりエネルギー密度の高い音が出ていましたのでシングルコア動作のPCにも効果はあります。

シングルコアモードでもPCオーディオ専用で使っていると、CPU稼働率が10パーセントを超えることはありませんので100%で回すとエージングが進むようです。

次に今までは、音が悪くて使えないと考えていたデュアルコアモードで試聴しました。
ん?設定間違えたかな?シングルの時とあまり音が変わらない・・・というかこっちの方がエネルギー密度が高く芯があるぞ??
もう一度確認しましたが確かにデュアルコアモードになっています。

それから、シングルコアモードとデュアルコアモードを何度も切り替えて試聴しましたが、一長一短が有りどちらが良い、とは決められませんが少なくとも今までのように「シングルコアで決まり。」とはなりません。

好みの範疇での差異しか出ません。
まだ6時間しかエージングしていませんので、もう少しテスト継続して、またご報告させていただきます。

しかし、エージングの重要性は十分に理解しているつもりでしたが、PCパーツにも同じようにきちんとしたエージングが必要なのですね。
理屈で考えると不思議な気もしますが、オーディオは理屈通りに行かないことの方がはるかに多いので、結局PCオーディオも普通のオーディオと同じで実際に試してみないと分からないことだらけですね。

PCオーディオは日々変化の連続です。
昨日まではこの設定が良かったのに、ソフト一つ変わるだけでその設定が書き換えられていきます。
この変化を楽しいとお感じになる方は良いのですが、ほとんどの方にとってはただの苦痛にしかならないのではないでしょうか。

小さな変化の積み重ねですが、ここ2年ほどは半年も経てば過去の音になるほど変化スピードが速く半年前の設定のままでは、勿体ない場合が多いです。
基本的には、機材の入れ替えを伴わずフリーソフトの導入や、リッピング方法の改善等の比較的小さな変化の積み重ねですので大きな出費を伴うことはあまり(ハブは例外ですが・・・)ありません。
ですので、半年から1年に一度設定の見直しを行う事をおすすめします。

可能な限りおすすめ設定やソフトをお知らせできるように努力致しますが、今回のように今まで言っていた事と正反対の事を言い出す場合もございます。
進化速度が早い世界ですのでご容赦いただけませんでしょうか。