毎年恒例となりました、私の独断で選んだベストバイモデルです。
外見は考慮に入れておりません、音質のみでの評価です。
価格 対 満足度 で評価としておりますので、上位選定モデルが下位選定モデルより音が良いとは限りません。

時代の流れでしょうか。
ついにスピーカーが1機種も選ばれませんでした。
Paradigm 等、良いモデルもあるのですが、一度選定したモデルばかりですので選択に入っておりません。

アンプも複合機が1台入っているだけで、残りは1台の例外を除き、全てネットワークオーディオ関連製品です。
大きな変化の途上とはいえ、少し面白くない結果となってしまいました。
レコードからCDへ変化したとき以上の大きな変化のため、各メーカーとも様子をうかがっている感があり積極的に新製品を投入しなかった様に感じます。

来年は、良質なアンプやスピーカーが発売になることを期待しております。

1位 Qobuz 月額 1,280円(年払い/税込)1,480円(月払い/税込)

待ちに待った、配信サービス「Qobuz」を1位に選定しました。
現時点での楽曲数にご不満を感じている方もいらっしゃるようですが、始まったばかりですので長い目で見てあげていただけませんでしょうか。

1億曲あるそうなので、他社さんと比較しても少ないわけではありませんが、検索すると TIDALやAmazonMusicにある曲が無い場合があり、少し物足りなさを感じるかもしれません。
ただ、始まってから今日までの楽曲追加の様子を見る限り、期待に応えられるように頑張っているので期待して良いと思います。

一点注意点です。
よくお問い合わせを受ける点に
「Qobuz の専用アプリでは表示される曲が、Roon上では表示されない。」
という物があります。
これは、Roon の特性も影響しておりまして、解決方法は
「ローマ字で検索する」 です。
メジャーなアーティストの場合、日本語検索でも大丈夫ですが、少しマイナーなアーティストの場合ローマ字検索でないと、表示されません。

日本語で検索するとアルバム1枚しか表示されないアーティストがローマ字検索するとアルバム10枚以上出てくるということが、普通に起こります。

例えば 「吉田 美奈子」で検索すると、ばらの曲が10曲ほどしか表示されませんが「Minako Yoshida」で検索すると、アルバムが 17枚表示されます。

Roon 上での検索はローマ字が基本とお考えください。

2位 DELA S100/2 定価 168,000円(税込)

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オーディオグレードハブ、というと EDISCREATION か 日本テレガートナー が強く DELA さんはあまり話題になりませんでした。
ですが、虎視眈々と表に出る機会をうかがっていたようで、今年は勝負に出てきました。
そのお話は後ほどに取っておいて、この S100/2 です。

このモデルが発売されたのは、去年の10月ですから、その存在に1年近く気がついていませんでした。
20万円クラスのハブをあらためて探した際に気がついて、慌てて試聴したのですが、前モデルから大きく音質向上を果たしており、今回 2位に選びました。

単純にハブとしても優秀ですが、SFPポートを2個備えているため、光絶縁装置の片割れとして使用可能な点も高い評価につながっています。
このモデルを2台使用すれば、光絶縁装置とハブのセットが完成します。
現状、40万円までで最高音質の 光絶縁 + ハブセットです。

3位 SONORE optical Module Deluxe V3 定価 88,000円(税込)

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現時点で、世界で唯一のオーディオグレードメディアコンバーター(光/LAN変換器)です。
これを2台用意すれば、光絶縁装置として使用可能です。
もしくはSFPポートを備えたハブと組み合わせる事でも、同様に光絶縁装置として機能します。

2位に選定した DELA S100/2 と組み合わせれば、264,000円(税込)で ハブ + 光絶縁システムが構築可能となりネットワークオーディオ最大の障害が、何とか現実的な価格で実現可能となったのではないでしょうか。

4位 DENON DNP-2000NE 定価 275,000円(税込)

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去年 5位に選定したモデルですが、生まれ変わったため再度の選定です。
去年は USB/DAC としての選定で、今回は ネットワークプレーヤーとしての選定です。

去年の時点では、このモデルは Roon に対応していなかったために USB/DAC として評価しました。
ですが、今年に入り Roon Ready対応を果たしたため、あらためての評価とななります。

虚飾を排した端正な音色で、現代オーディオらしい立体的な空間表現力を持つ高性能ネットワークプレーヤーです。

5位 DENON HOME AMP 定価 121,000円(税込)

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今回、唯一選定されたアンプです。
最も、ネットワークプレーヤー内蔵アンプですので、厳密なアンプではありません。
時代が生んだ、新しいオーディオ機器でしょうか。

レコードやCDを音源とするのでは無く、ネットワーク上の音源を再生する事に特化したシステムでこれ1台と、スピーカーがあればシステム完成です。

小型なため、馬力が低く大型スピーカーを鳴らすことを苦手としますが、コンパクト2ウェイと組み合わせてあげると見た目以上の広い空間を再現可能です。

このモデルを聞いていると、オーディオも進化していると感じます。
軽量コンパクトな機材で、これだけの高音質再生が可能という良い時代になりました。

お子様や、親戚の方の入学、入社祝いにいかがでしょうか。
DALI oberon1 と組み合わせて、プレゼントすると、イヤホンでは無くスピーカーから音楽を聴くという新しい体験をプレゼント可能です。

6位 JBL MP350 定価 110,000円(税込)

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JBL が突如発表したシステムコンポの1台です。
操作用アプリの完成度が低く、実際に運用するには Roon が必須という微妙な立ち位置のモデルではありますがRoon で運用する限りにおいては、全く問題ありません。
そういう意味で Roon 専用プレーヤーではありますが、10万円で購入可能な Roon Ready対応ネットワークプレーヤー中最もおすすめのモデルです。

ハブと光絶縁装置に、上でご紹介した DELA S100/2 と SONORE セット 264,000円 を購入し、このモデルを組合せて(総額 356,000円ほど)お手持ちのPCを使用すれば Roon システムの完成です。

Roonコアとして使用する、お手持ちのPC次第という所はございますが、同等クラスのCDプレーヤーより良い音が出せると思います。

7位 LUMIN D3 定価 418,000円(税込)

吉田苑公式ショッピングサイト LUMIN D3 シルバー LUMIN D3 ブラック
 

今年 LUMIN は商社変更を経て、大きく値下げが行われました。
もとよりお買い得感の高かったLUMINが値引きされてさらにお得になりました。

今回は LUMIN の中では入門クラスである D3 を選定しました。
DAC内蔵ですので、そのままアナログ信号が取り出せます。

一昔前の LUMIN はネットワークプレーヤー部は高性能ですが、アナログ回路は不得手だったようでアナログ出力は微妙でした。
ですが、最近発表されたモデルは全てその弱点を克服しており、アナログ出力も良い音がします。

40万円と高価なモデルではありますが、この価格帯では最もおすすめの高音質モデルです。
NEO Stream からのステップアップにも最適ですので、現在 NEO Stream をお使いの方は次の目標としてみてください。

8位 EDISCREATION LPS 定価 165,000円(税込)

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ネットワーク機器はACアダプター動作の機材も多く、その電源強化が大きな課題となります。
EDISCREATION LPS は 12V 出力を2系統持つ、アナログ電源です。
容量が大きく 12V 10A(2系統合計)もありますので、容量不足で困ることは無いのではないでしょうか。

電源としての質も大変良好で、ACアダプターから入れ替えると大きな音質向上が可能です。
私がおすすめしている機材ですと、日本テレガートナー OPT BRIDGE 、Silent Angel Z1 、DELA S100/2 等の強化に最適です。

8.5位 ACOUSTIC REVIVE RHR-21 定価 162,800円(税込)

吉田苑公式ショッピングサイト ACOUSTIC REVIVE RHR-21 

全ての記事を書き終えてから、このモデルを入れ忘れたことに気がつきました。
最後に無理矢理挟んだため、変な順位となっております。

部屋の定在波でお悩みの方は大変多く、昔からご相談をたくさん承っておりました。
低域のブーミーな響きは、定在波が原因の場合が多く、その解決方法は大型のクッションや布団を入れる等現実的では無い方法が多く、さらに、その手の対策は必要な帯域の情報まで吸収してしまい多少の定在波軽減と共に、必要な帯域まで減ってしまうという事が普通に起こり根本的な定在波対策は大変困難な作業でした。

このアクセサリーはそんな悩みを一気に解消してくれる(可能性がある)素晴らしい製品です。

部屋に1本入れるだけで、低域のみを効果的に吸収してくれ、定在波が一気に減ることが実感できます。

ただし、効果が大きいため、定在波の少ない部屋に導入すると、低音が無くなります。
弊社試聴室は、標準状態で定在波の影響が少ないため、これを入れると低音が無くなってしまいます。
そのため、展示導入しておりません。

ご購入の際は、デモ機がございますのでご依頼ください。
まずは、実際に設置して効果の度合いを確認していただくようお願いいたします。

9位 tp-Link BE75 販売価格 87,800円(2台セット/税込)

オーディオショップでは取り扱えない、通常の家電製品の選定は初めてでは無いでしょうか。
ここでご紹介しても、弊社の利益にはならないのですが、ネットワークオーディオをおすすめしている以上は周辺機器の紹介も必要と思い、今回9位に選定しました。

この無線ルーターはメッシュシステムという大変便利なシステムを採用しているのですが、このメッシュシステムは業界標準規格が無く、各社が独自に規格を制定しているため、他社製品との共用は出来ません。
ですので、このルーターを採用すると、家庭内全ての子機が tp-Link のメッシュシステムに対応する必要あります。
ですので、2台セットでの導入が基本となります。

この無線ルーターには SFPポート が付いており、今回の選定理由はその1点に尽きます。
無線ルーターにSFPポートが付いていれば、直接光で信号を取り出すことが可能となり高価な光絶縁装置を別途用意する必要がなくなります。
もちろん、オーディオ用に専用で開発された光絶縁装置は音質もさらに良いのですが、音質の良さに比例して価格も高価です。
将来のグレードアップの目標としては高価なモデルでも良いかもしれませんが、最初の一歩を踏み出す際にましてや、未知の領域であるネットワーク再生機器を初めて導入する場合に、高額モデルに手を出す事はためらわれると思います。

そんなときに、家庭内 Wi-Fi 環境を向上させるついでに、光絶縁装置も入手可能という一石二鳥を狙うことが可能な、お買い得モデルです。

10位 Silent Angel Z1C 販売価格 268,890円(税込)

吉田苑公式ショッピングサイト Silent Angel Z1C 250GB

Roon 再生時に、重要な仕事を行う Roon コア です。
以前は Z1 というモデルをおすすめしておりましたが、ついに完売してしまい後継機のご紹介です。

ただ、これは暫定順位です。
私は、ご紹介する機材は必ず試聴してからと決めているのですが、この機材はいまだに試聴出来ておりません。
入荷数が少なく、つねに注文残を抱えている状況で、展示機をいまだに出せないでいるのです。
商社も同様の状況で、貸し出し機が用意できずに、発売から4ヶ月経過したにもかかわらず試聴出来ておりません。

お買い上げいただいたお客様の話を聞く限り、音質は良好なようですし、前モデルの Z1 も大変良い機材でしたので恐らく、ここでおすすめしても大丈夫だろうという判断でのご紹介です。

Roonコアは Windows PCや mac でも代用可能ですが、やはり専用設計された機材は違います。
PCをRoonコアとしてご使用中の方は、将来的な目標としておすすめです。
来年には、試聴機(デモ機)もご用意できるようになると思いますので、視聴後に改めてご紹介させていただきます。

番外編 DELA S1 定価 1,430,000円(税込)

吉田苑公式ショッピングサイト DELA S1-X ブラック/シルバー

皆様は「メルコ」というオーディオメーカーをご存じでしょうか。
この「メルコ」こそ DELA さんの母体である「バッファロー」の前身なのです。
いまでこそ、PC周辺機器メーカーとしての地位を確立した「バッファロー」さんですが創業は「メルコ」というオーディオメーカーでした。

その「バッファロー」さんが、自社の強みを活かしつつオーディオの世界に戻ってきたのが「DELA」さんなのです。

考えてみると、世界初のオーディオ専用NASを発売したのも DELA さんでした。
バファローさんにはオーディオメーカーとしての血が残っているのでしょう。

そのDELAさんが渾身の1台を発売しました。
オーディオグレードハブ の S1 です。
私が知る限り、最高価格のハブです。
PCショップに行くと、同様の機能を持つ機材が 980円 で売っています。
そのハブに143万円です。
いくら何でもこれは無いと思っていたのです。
ですが、音を聴くと何も言えなくなってしまいました。

ネットワーク関連機器(ハブと光絶縁装置)の世界は、基本的に価格が音質に比例してしまう悲しい世界です。
残念ながらこのハブもそれを証明してしまいました。

この価格となると、実際にご試聴いただく事が重要だと思います。
デモ機を準備中ですので、貸し出し機をご依頼ください。

静寂(空気)を再現するとは、こういうことかと感じていただけると思います。