みなさま、ご無沙汰して申し訳ございません。
気付けば、入社6年目になっております「新人君」です。
久しぶりにコラムを書きますので、よろしくお願いいたします。

今回のご紹介は、イスラエル「morel(モレル)」のスピーカー。
聞いたことないよ!って方も多いかもしれませんが、カーオーディオでは、かなり有名なブランドのようです。

以前、同社は「OCTAVE 6 L.E. Bookshelf」を試聴しましたが、
今回、よりお求めやすい価格のモデルが輸入開始となりました。

*VARIO ELITE :280,000円(ペア/税別)

*VARIO X :120,000円(ペア/税別)

キャビネットは全く同じで、ユニット違いの製品のようです。

比較すれば、「VARIO ELITE」の方が聴感上のレンジも広く、音もよいのですが、その差はわずかで、価格ほどの差が感じられません。
また、キャビネットも同じですから、見た目にもこの価格差はね…、ということで、当店としては「VARIO X」を推薦したいと思います。

*morel VARIO X Bookshelf
~ この高音域は、もしや…懐かしの…

メーカー希望小売価格:120,000円(税別)

キャビネットのサイズは、幅:216mm、高さ:304mm、奥行:283mm。
ユニットのサイズは、ツィーター:25mm、ウーファー:165mm。

色は、ホワイト(画像)とブラックの2色展開。
そして、肝心な音ですが、この価格帯としては十分にクリアな音です。

同価格帯では「B&W 606」が人気モデルなので、比較試聴しました。
ユニットサイズも同じで、見た目的にも良きライバルといった雰囲気ですが、音質のクオリティも互角といえるのではないでしょうか。

高音域は、上まで伸びまくる感じはないのですが、しっかり聞こえます。
最近のスピーカーは、ハイレゾ再生を意識してか、かなり上の帯域まで伸びますが、このスピーカーは、そこまで欲張っていないようです。

でも、高音が出てないわけではなく、欲張らないゆえの独特の音…、少し古めのDYNAUDIOの音のイメージに、近いでしょうか。
試聴すると、AUDIENCEを思い出される方もいらっしゃるかも(ほめ過ぎ?)…(^^ゞ

また、低音域は、morelの製品中では一番タイトな音作りになっているようで、その点も好感度は高めです。

以前に聴いた機種の記憶の中の印象も含めると、同社のスピーカーは、上位機種ほど、高音域のヌケがよくなる & 低音域の量感が増える、という設計になっているのかもしれません。

中音域がやや控えめなようで、サックスの音などはややソフトに感じましたが、全体的には、メリハリが効いた楽しい音です。
個人的には、Cambridge Audioのアンプ等に近い印象も持ちました。

独特の高音域に加えて、低音域にも躍動感を感じるので、ジャズやロックも楽しんで聴くことができます。

また、ややソフトに感じる中音域にフォーカスを当てれば、女性ボーカルや弦楽器も楽しめるのではないかと思います。

この価格帯では、「DALI OPTICON1」もお勧めしておりますが、
あまりにも潔く低音の量感を捨てているので(まぁ、それゆえの高音質…)、その点がお好みに合わない方は、一度聴いてみていただきたいスピーカーです。

さて、アンプ等との組合せですが、価格からすれば、以下が相性良好でしょうか。

1.Marantz / hina M-CR612SE & VARIO X
2.DENON PMA-800NE , DCD-800NE & VARIO X

ちょっと贅沢をして、Nmode X-PM3 , X-DU3と組み合わせるのも、面白いかもしれませんね♪

(おすすめCD)
それから、久々のコラム復活!ということで、おまけの「個人的に好きなクラシックCD」のご紹介です。

並べて感想を書いてみると、個性的な演奏が大好きなようですね…^_^;
しかも、どちらもライブ録音…。

*ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」 (1947年録音)
フルトヴェングラー:指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

70年以上前の有名なライブ録音。
出だしの「ジャジャジャジャーン」ですが、タイミングがずれてます…。特に2回目、クラリネットが大きくフライング…。

でも、そんなことはどうでもよくなるくらいの熱演!
出だしも、フルトヴェングラーの「タメ」を待てなかっただけで、緩急・メリハリのついた、すごい迫力の演奏です。

テンポもかなり変化しますが、決して表面的になることはなく、高い精神性を感じるところも、長く愛されている理由でしょう。

*ベルリオーズ 幻想交響曲 (1964年録音)
 クリュイタンス:指揮/パリ音楽院管弦楽団

東京でのライブ録音。
この曲は、派手な第4楽章を好まれる方も多いと思いますが、少々不気味な第5楽章が、個人的には好みです。

第5楽章では鐘の音(例:C5-C5-G4)が使われるのですが、音が外れていて、G4は明らかにフラットしています。

クリュイタンスが意図的にねらったのかどうかは不明ですが、この曲の不気味さを表現するのに、効果をあげていると感じます。

今回の「morel VARIO X」、試聴機は輸入代理店に返却済ですが、月が明けて12月上旬には、展示する予定です。
みなさま、試聴にご来店くださいね!