新しいオーディオメーカー ASOYAJI AUDIO さんの取扱いを開始しました。
ASOYAJI AUDIO は 「PCで音楽」という有名ブログ執筆者の方が、趣味が高じてメーカーを立ち上げたという異色のメーカです。
メーカーと言っても、お一人で設計から製造まで全て行うガレージメーカーのイメージです。
大手メーカーの技術者さんが独立してメーカーを起こすことはありましたが、オーディオ業界とは異なる世界からの参入は珍しいです。
出発点が回路屋さんでは無いため、良いと言われるパーツを集めて一つの箱に収める手法がベースとなっており、商品は高品質パーツの集合体となっております。
そのため、どうしても高価になってしまうので残念です。
今回は ASOYAJI AUDIO さんの代表作である DAC を展示導入しました。
標準モデルはUSB入力のみで定価 507,600円(税込) オプションの同軸デジタル入力を付けると 540,000円(税込)となります。
このDACには大きく2つの特徴があります。
その一つはバッテリー駆動である事です。
吉田苑でもおすすめしている電源装置に nichicon のバッテリー電源がありますが、昔の鉛バッテリーとは違い、今のリチウムイオンバッテリーは音質が良く、オーディオへ積極的に組み込んで良いクオリティを持っています。
そしてもう一点が ASOYAJI AUDIO 最大の売りである ファインメットトランス による出力段(ライントランス)を備えることです。
ライントランスを入れると、マイルドで耳当たりの良い音色になる場合が多いです。
バッテリー駆動のため、モバイルバッテリーを外部に接続します。
家庭用AC電源から完全に遮断する事が出来るため、昔からバッテリー駆動は理想の電源だと言われていましたが、鉛バッテリーではエネルギー不足により線の細い力感に乏しい音になってしまいました。
しかし、技術の進歩により高性能なリチウムイオンバッテリーが安価に供給されるようになり、オーディオ用途にも十分使えるようになり、エネルギー再現性に優れた透明度の高い再生が可能となりました。
さらにガレージメーカーさんらしい拘りで、電源は アナログ1系統、デジタル2系統 に分けて接続します。
バッテリーを3個準備すれば、アナログ電源とDAC用電源、DDC用電源を別個に供給する事が出来るという考えただけでも音が良さそうな接続が可能です。
肝心の音質ですが、一聴して感じるのがバッテリー駆動ならではのS/N比の良さです。
静かで滑らか、穏やかな空間に音像が浮かび上がる感じはバッテリー駆動ならではの快感です。そして、ファインメットライントランス特有の個性だと思われる、粘りを感じる優しい表現は
女性ヴォーカルやクラシックをより魅力的に聴かせてくれます。
普段、吉田苑が目指しているストレートでダイレクトな表現とは違い、一歩引いた穏やかで優しい耳当たりの良い音色を奏でてくれるオーディオ機器だと思います。