リファレンスPCシステムが変更になりました。

SOtM より USBリジェネレーター tX-USBultraが発売になりました。
何をする機械だろうと思いますよね。
私もデモ機が届くまで、何の前知識も入れていなかったため「USBリジェネレーター」と言われても何をする機械なのか分かりませんでした。

簡単に言うと、USB信号のクロック打ち直しをする機械です。
またクロックか、とお感じになるかもしれませんがデジタルオーディオにおける音質の肝はクロック精度では無いかと感じております。

もちろんノイズ対策による、S/N比向上と相乗効果が出る部分ですので両方重要なのですが、ノイズ対策とクロック対策を行うとデジタルオーディオは見違えるほど音質が向上します。

今までPC—DAC間にはJCAT USB Isolatorをおすすめしておりましたが、現在の吉田苑リファレンスシステムは、このSOtM tXUSB に変更になりました。

今までおすすめしていた JCAT USB Isolator は比較的低価格で導入可能ですので、ご予算に合わせてご検討ください。

使い方は、PCとDACの間にUSBケーブルで接続します。PC—USBケーブル—tX-USBultra—USBケーブル—DAC
このようになります。

まず一つ目のメリットですが、このPC—tX-USBultra間を接続するUSBケーブルには電源線が必要ありません。
このメリットは大きいです。PCから電源ラインを通じて混入する電源ノイズが最初から無いのです。

そして2つ目のメリットは、tX-USBultra—DAC間のUSBケーブルに5V電流を流す必要がありません。
少し分かりにくいですが、前半のPC—tX-USBultra間は+5V電源ラインが入っていないケーブルが使用可能ですが、後半のtX-USBultra—DAC間は5V電源ラインは必要です。電源ラインは必要ですが電気を流す必要はございません。
これは、やはり大きなメリットになります。

説明が前後して申し訳ございませんが tX-USBultraのUSB出力は+5Vの電源オン/オフスイッチが付いていて、5V電源を流すかどうか任意に選択可能です。ですので、上記のような少し不思議な接続が可能になります。

PC—電源ライン無しUSBケーブル—tX-USBultra—USBケーブル(5V電流は流しません)—DAC

このような接続になります。

USB出力ポート上にある赤いスイッチが+5V電源のオン/オフスイッチです。
ポートは2つありますが、同時接続は音質上好ましくありませんので、片方だけ接続してください。

実はこのモデルは1ヶ月ほど前から店頭でテストを継続していました。
効果が高いことは接続後すぐに分かったのですが、接続方法や使用電圧、10Mマスタークロックの効果等々、検証する事が多数あったため皆様にお知らせするのに時間がかかってしまいました。

使いこなしのポイントですが、いくつかポイントがございます。
まず、付属のACアダプターでは実力が発揮出来ません。そのため良質な外部電源が必要です。
吉田苑ではENE-BOX-HF(販売価格 33,000円(税込))という電源装置を販売しておりますのでこちらをおすすめします。

右がENE-BOX-HFになりますが、現在のモデルは角が丸くない直角のモデルになっております。

次のポイントは上でも書きましたが、USBケーブルは電源ライン有りと無しを1本ずつの使用をおすすめします。
物理的にPCの電源ラインと遮断できる効果は大きいです。

USB出力側の5V電源はオフでお使いください。
ごくまれにPCがDACを見失うことがありますが、一度5V出力スイッチをオンオフすると直ります。

電源装置とセットになると 195,000円(税込) クロック入力有りとなると 227,400円(税込)という大変高価な装置ですが、投資に見合うだけの大きな改善効果を持つ優秀なクロックです。

音質変化の方向性は質感の向上と静けさ(S/N比)の向上です。普通に接続した時点で薄皮一枚向けたように透明度が上がります。さらにUSBケーブルの結線有り無しや12V電源化、マスタークロックの接続と段階的に一段ずつ良くなって行きますので薄皮4枚分ほど透明度が上がります。

ご注文時に9Vモデルと12Vモデルの選択が可能ですが、12Vモデルの方が改善効果がかなり高いため12Vモデルを強くおすすめします。
ですが、12VモデルにはACアダプターが付属しませんので、別途電源装置を購入する必要がございます。

さらに10Mのマスタークロックを接続すればより精度の高い色彩感のある再生が可能になるので、余裕がある場合はクロック入力付きをおすすめします。

しかし、PCオーディオの進化は早いですね。
良い物を見つけるとお客様におすすめするようにしていますが、更新頻度が高く逆に申し訳無く感じます。
良い物が出る度に機材を入れ換えると大変ですので、1年~2年くらいの間を置いて機材を更新していくのが良いと思います。

基本的に価格以上の価値がある物しか紹介しないようにしておりますので、ここで紹介しているモデルはどれも自信を持っておすすめ出来るモデルばかりです。無理のない範囲でご購入いただけると嬉しいです。