昨日ご紹介しました LUMIN X1 はあまりに高価で現実味がありませんので、もう少し現実的な価格でPCオーディオを超えることが出来ないか、試行錯誤してみました。
LUMIN X1 の半額ちょっととなり、擬似的な分割払いが可能となる方法で一歩ずつ前進する楽しさもある複数機材使用でのご紹介です。

今回のRoon Ready対応機は sMS-200ultra NEO を使用します。
20万円程と現実的な価格ですがその実力は高く、LUMIN X1 に迫る再生音を引き出すことが可能です。

右が今回の主役 sMS-200ultraNEO です。
左はその名サポーター tX-USBultra です。

tX-USBultra はPCオーディオシステムでも重要なパーツでしたが、今回も同様にシステム全体のS/N比向上という重要な役どころです。

究極を目指した場合の機材構成は以下となります。

●Roon Ready対応機 として SOtM sMS-200ultraNEO 10MHz クロック入力付き 215,000円(税抜き)
●USBリジェネレーター SOtM tX-USBultra 10MHz クロック入力付き 180,000円(税抜き)
●マスタークロック Antelope Audio 10MX 728,000円(税抜き)

合計 1,123,000円(税抜き)

別途、USB/DAC と Roon本体を動作させるオーディオ専用PCかRoon Nucleusが必要です。

このシステムで、クオリティはLUMIN X1 と同等まで行けます。
つまりこの価格でPCオーディオシステムを越えることが可能です。

音色は LUMIN X1 とは随分違い、質実剛健、真っ向勝負でストレートな再生音です。楽器の音をそのまま出してくるので、リアリティ重視の方にはこちらの方がおすすめです。
密度の濃い空間の中に、高性能クロック使用ならではの滲みや揺らぎの無い実体感のある音像がぴったり定位します。
曖昧さは一切無く、切り取られた空間がそのままそこに再現される様はデータ再生の新たな境地です。吉田苑の新たなデータ再生システムのリファレンスとなる予定です。

データ再生においてクロックの重要性を思い知らされる結果でもありました。完全なクロック依存型システムで、クロックの質が再生音に大きく影響します。
予算を落とそうとすると、クロックを安価なモデルへと変更することになりますが、そのクロックの価格に沿って音質も落ちてゆきます。
Antelope Audio よりリーズナブルなクロックとなると、選択肢は TEAC か Nmode か SOtMとなります。

●TEAC CG-10M オープン価格 実売価格 140,000円(税抜き)ほど
●Nmode X-CL3 168,000円(税抜き)
●Nmode X-CL3-rubidium 468,000円(税抜き)
●SOtM sCLK-OCX10 500,000円(税抜き)

Nmode X-CL3 シリーズはマスタークロック出力が1系統しか無いため、分配しての出力となります。申し訳ございません、この分配出力についてはまだ実験していないためどの程度の悪影響があるか分かりません。実験次第ご報告いたします。

Nmode X-CL3-rubidium はルビジウム発信器搭載モデルとしては異例の低価格モデルでAntelope Audio 10MX と比較しても大きく劣ることはありません。クオリティを大きく落とすこと無くコストダウンを図るには最適な機材だと思います。

SOtM sCLK-OCX10 はNmode のルビジウムモデルと同価格帯で、クロックとしての性能(音質)もほぼ同等です。Nmode の多機能を取るか、シンプルな良さを取るかの難しい選択ですね。

ただ、50万円出すのであれば、Antelope Audio 10MX まで頑張った方が良いので現実的には10万円台の2モデルに絞り込まれるのかもしれません。

実売価格で最も安価に揃えることが出来る Nmode X-CL3 でシステムを組めば総額 568,000円(税込)ほどですので、現実的な価格になります。

最初に sMS-200ultra だけを購入して、Roon を楽しみつつ残りの機材を買い足していけば段階的な音質向上も楽しめます。

奇々怪々な設定や、アップデートに伴う動作不良に悩まされるPCオーディオシステムはその苦労に見合うだけの再生音が伴ってこそその存在意義がありました。ですが、苦労せずにそれに匹敵する音質が手に入る時代がついにやってきました。ただ、システム総額で考えるとPCオーディオシステムの方がかなり安価ですので価格なりになったという事でしょうか。