IO DATA さんのブランドである fidata 製品と Soundgenic 製品の新ファームウェアが発表されました。
今回のファームウェアアップデート最大のポイントは、Diretta へ対応したことです。
まずは、Direttaの説明です。
Direttaとは新しい通信規格でオーディオ用に開発されました。
phileweb さんに詳しく解説されていますので、興味がある方は覗いてみてください。

https://www.phileweb.com/review/article/201906/12/3482.html

無理矢理簡単に解説すると、データ伝送時の変動を減らし少量を継続的に伝送する事により受け取り側の負荷を減らす。
つまり、受け手(DAC)の負荷を減らすことにより高音質化を図るということになります。

これは、おすすめしている再生ソフト JPLAY FEMTO が行っていることと、原理的には同じです。
また、CPUへの負荷を下げれば下げるほど音が良くなる「PCオーディオ」とも、音が良くなる原理は同じです。

CPUやDACへの負荷を可能な限り減らす事により、音質が良くなる。という事が高音質化への一つの手法として認知されてきたのだと思います。

おすすめ Diretta 再生システム になります。

残念ながら Diretta に対応した DAC がまだ販売されておりませんので、PC以外で唯一のDiretta対応製品であるSFORZATO のネットワークプレーヤーが必須です。
最も安価な DSP-Pavo ですら 407,000円(税込)もします。
これから少しずつ対応機材が増えると思いますが、現時点ではこのモデルしかありませんので、他の機材でコストダウンを図ります。

究極を目指せば fidata 製品となりますが、今回は音質であまり妥協せずに可能な限り安価なシステムを目指します。
そうなると核となるNASは Soundgenic シリーズのSSDタイプから選択する事になります。
HDDタイプはさすがに音質面での妥協が大きすぎるため、SSDタイプを選択しました。

SFORZATO DSP-Pavo 407,000円(税込)
Soundgenic RAHF-S1 91,300円(税込)

別途、無線LANアクセスポイント(無線ハブ)とLANケーブルが2本必要ですが、ミニマムなシステムとしてはこれだけで完成です。
定価合計 498,300円(税込)ですので、かなり贅沢なシステムですね。

このシステムで、通常接続と、Diretta接続で比較試聴しました。
通常接続でも、総額50万円のシステムとして遜色ない密度感ある再生が楽しめます。
次にDiretta接続へ変更して同一音源を試聴しました。ベールが1枚剥がれ、瑞々しく暖かみのある再生へと変化します。

情報量も増え、密度感が向上します。
明らかに1ランク以上の改善効果があります。
既に fidata か SFORZATO 製品をお持ちの方は、足りない相棒を導入する価値が十分にあると思います。

次に贅沢して 日本テレガートナーのハブ M12 SWITCH Magic 217,800円(税込) を接続しました。
総額 716,100円(税込)というさらに贅沢なシステムとなってしまいますが、その価格アップ以上の大きな効果があります。音の焦点がピシッと合い、空間が広く深くなります。

この新しい伝送方式 「Diretta」 には大きな可能性があると感じます。
既存の伝送方式である「UPnP」や「USB接続」は、本来オーディオ用ではありません。
PCオーディオ黎明期に既にあった方式をそのまま使用しただけで 「そのタイミングで使える物がそれしか無かった。」から採用しただけであり、その際音質は一切考慮されておりません。
その音質を考慮されていない方式から一歩踏み出して、オーディオ信号伝送のために開発されたDiretta はデータ再生に新しい可能性を見せてくれたと思います。

現時点での理想の組合せは

SFORZATO DSP-Pavo  407,000円(税込)
fidata HFAS1-H40  352,000円(税込)
日本テレガートナー M12 Switch IE GOLD 385,000円(税込)

合計 1,144,000円(税込) となります。
この組合せは、今年の東京と大阪の試聴会で皆様に試聴していただいた組合せとなります。
当日お越しいただいたお客様より 「CDシステムより良かった。」という感想もいただいたほどで、CDやアナログシステムと同列で優劣を語ることが出来る所まで進化したと思います。

「PCオーディオ」 「ロスレスストリーミング再生」 「Diretta接続によるネットワークシステム」
これら3種の方法であれば、ピュアオーディオとしてCDシステムやアナログシステムと優劣を語ることが出来るレベルまで到達したと思います。
特に今回のDiretta接続は初期設定に特別な知識を要求されませんので、PCが苦手な方でも簡単に導入可能な点も魅力です。

SFORZATO 製品と fidata 製品を両方お持ちの幸運な方は、fidataのアップデートを行いぜひ、Diretta接続を試して見てください。
進化したデータ再生の未来が見えると思います。